ニチレイレディス
データで見えてきた名門コース攻略のカギ
名門・袖ケ浦C新袖Cで開催されているニチレイレディス。コース攻略はパーオン率の高さがカギとなりそうだ 写真・村上航
日本女子ツアー「ニチレイレディス」の第2ラウンドが行われ、首位と2打差の7位タイから出た李知姫が6バーディ・1ボギーの67で回り、通算7アンダーで単独首位に立った。1打差の2位には申ジエ、2打差の3位タイには大江香織と今季3勝と好調の鈴木愛がつけている。首位から5打差以内に12人と最終日は混戦が予想されるが、この2日間のデータからコース攻略のカギが見えてきた。
会場の袖ケ浦CC新袖Cは昭和40年開場で、木でセパレートされたいわゆる名門の林間コース。全長6548ヤード(パー72)と決して長いワケではない。「ラフに入れるとボギーになりやすい」と3位タイの大江が警戒するようにフェアウェイサイドやグリーン回りのラフが深い。そして名門らしい小さいグリーンは、硬く仕上げられている。
この2日間のショット部門の主要データを見ると面白い結果が出た。まずドライビングディスタンスの20位以内の選手が、2日目を終えてトップ10以内に入っている確率は25パーセント(20人中5人)。同様にフェアウェイキープ率はわずか11・5パーセント(26人中3人)。対してパーオン率は34・6パーセント(26人中9人)と高く、首位の李や2位の申ら、優勝を狙う5位以内の選手は、すべてパーオン率トップ20に含まれている。コース攻略には飛距離を出すより,フェアウェイをキープするより、小さいグリーンを捉えることが重要というわけだ。
初優勝を狙う松田鈴英は、第1ラウンドで10ラウンドぶりの60台となる69をマーク。「小さいグリーンに乗ってくれたのでボギーが出ずに、スコアがまとまりました」。2日間のパーオン率は75パーセントと李と並んで1位タイ。パーオンに成功していることで、最終日を迎える位置としては自己最高となる3打差の5位タイにつけている。
2014年から今大会3連覇を達成している申は、「このコースは、フェアウェイが狭く、グリーンが小さいので、正確性が武器の私には合っている。コースが自分の集中力を上げて、正確性も上げてくれる」と、ショット精度が大切と話す。
前年優勝したテレサ・ルーは、昨年の3日間のパーオン率は74パーセントで1位。やはりパーオン率が高い選手が有利なコースである。明日の最終日は、パーオンを積み重ねることが優勝の近道のようだ。