ほけんの窓口レディース
大山志保、スイーツ断ちの不調から脱してWタイトルへ
ショット復調の手応えをつかみ、逆転優勝を狙う大山志保 ほけんの窓口レディース(2015)(2日目) 写真・鈴木祥
ほけんの窓口レディース(5月15日~17日、福岡県・福岡CC和白C、6375ヤード、パー72)
ほけんの窓口レディースの第2ラウンドが行われ、12位タイから出た大山志保は、3バーディ、1ボギーの70と二つ伸ばして、通算2アンダーで首位と3打差の4位に浮上した。
1番(パー5)でいきなり4メートルのパーパットが残ってピンチだったが、それをねじ込んでガッツポーズが出る。2番、3番でもパーオンを逃しながら、微妙なパーパットを沈める。続く4番(パー5)でバーディを奪って流れに乗った。
「先週までずっとショットが悪かったんですけど、今週のプロアマ(木曜日)の途中で、いい感覚をつかんでからショットがよくなってきました。最近はアプローチとパットの調子がいいので、いいプレーができました」
先週までの大山のパーオン率は70.1058パーセントと1位。ショットメーカーらしく好調かと思われたが、「今年はショットが人生で一番悪い」という状態だった。
「ドライバーはワイパーみたいに、右、左に曲がるし、サンドウェッジでも真っすぐいきませんでした。パーオン率は1位ですが乗っているところは悪かったのです」
ショットが不調になった原因は、今年1月1日から始めた“スイーツ断ち”である。食事は普通に取っているが大好物のスイーツを抜いたことで、8キロも減量した。
「アスリートなので、スイーツを食べ過ぎてしまってはいけません。コントロールが効かないならやめたほうがいいと。ただ、体が痩せたことでアドレスから感覚が変わってしまい、どうやって振っていたのか、分からなくなってしまったのです」
スリムになったことでスイングの感覚にズレが生じてしまい、感覚派の大山は開幕前からショットが不調に陥った。食欲のコントロールはできるようになったが、逆にボールのコントロールができなくなった。
「ずっとスイングについて試行錯誤していたのですが、ようやくいい感触になりました。スイーツだけでなく、ボールもコントロールできるようになってきました(笑)。ショットが悪かったおかげで、ショートゲームがよくなりました。ショットの悪さはこれ以上ないと思うのであとは上がっていくだけです」
ショットの不安は取り除かれつつある。ショットが悪くなったことで、逆にショートゲームの感触がよく、噛み合えばビッグスコアも望める。それに、体がスリムになったことの副産物もある。
「体のキレがありますし、飛距離も出ています。あと、いろいろな服を着られるようになりました。昨日(イ)ボミちゃんに可愛い服と褒められました。冗談ですけど、ベストドレッサー賞のライバルといいましたよ(笑)」
今大会はギャラリー投票によるベストドレッサー賞が設けられている。ショットが復調したことで、逆転優勝とベストドレッサー賞のダブルタイトルも夢ではない。
文・小高拓