センチュリー21 レディスゴルフトーナメント(7月25~27日、静岡県・伊豆大仁CC、6531ヤード、パー72) QTランキング上位の資格でレギュラーツアー参戦中の佐々木慶子が、6バーディ、3ボギー、通算9アンダー、2位タイで今季のベストフィニッシュを果たした。 2010年3月に女の子を出産し、ママとプロゴルファーとして奮闘中。16位タイ、9位タイと徐々に順位を上げ、強風が吹く最終日も60台が5人しかいない中での69。08年以来のシード復帰に向けて弾みをつけた。 今週の佐々木の好結果にはある理由がある。これまではコース攻略全般を自分自身でジャッジしてきたが、今週はタッグを組んだキャディの松村崇史さんの指示通りにプレーしたという。 「いつもは自分で距離も読んで番手も決めますが、初めてキャディさんのいうとおりにしてみました。このコースは体の疲労がくると思って頭をなるべく使わない様にしました。楽でしたね。うまくいきました」 作戦が奏功し、3日間トータルで1イーグル、12バーディ、5ボギーとスコアをまとめた。キャディの松村氏に真相を聞いてみた。 「どのプロも常にギリギリのところで攻めてくるものです。キャディとしてはそこで気持ちを落ち着かせたりすることができればと思っています。キャディは視野を広く持って、メリハリを利かせた攻めと守りをしてもらうことが大事ですね」 佐々木はどちらかといえば攻めのゴルフが多い。だからこそ、トラブルになるケースも少なくなかった。そんな佐々木を逆の発想でサポートした松村氏の貢献度は高い。 「今回のジャッジは勉強になりました。自分が普段いかに攻めすぎているのかが分かりました。だいたい私が思った番手より一番手下のクラブを渡されました。手前でもいいということなんでしょうね」 そう語るが、実は今日は「(攻めに)行かせた」と松村氏は話す。 首位を追い上げるために攻めにいった18番こそアンラッキーなボギーとしたが、メリハリの効いた攻略に自信をつけた佐々木。今後タッグを組むことがあるかは未定だが、 「これからは自分でこういうふうにやらなきゃだめなんですよね」 と、後半戦での巻き返しに大きな収穫を得た。この勢いと経験で、シード復帰、初優勝を掴む。 文・高桑均