サマンサタバサ ガールズコレクション・レディーストーナメント
“プレーオフの鬼”成田美寿々がまたもや逆転で今季3勝目!
これでプレーオフ3戦3勝と勝負強さを見せた成田美寿々 サマンサタバサ レディース(2014)(最終日) 写真・鈴木祥
サマンサタバサ レディース(7月18~20日、茨城県・イーグルポイントGC、6528ヤード、パー72)
今日の成田美寿々は妙に落ち着いていた。
1打差の2位でスタートした成田は前半から猛チャージを仕掛ける。1番(パー4)からバーディ発進に成功すると、続く2番(パー4)では3打目をグリーン右脇のラフからチップインで連続バーディ。ここでスコアを13アンダーにしてトップのイ ナリを抜くと、そこから4番(パー4)、6番(パー4)、8番(パー5)でバーディを奪った。5番(パー3)でボギーをたたくも、前半は前日に続いて完璧な内容だった。
このまま成田の一人舞台になるかと思われたが、このままでは終わらない。3つ前の組の香妻琴乃が猛追し、8バーディ、ノーボギーの通算16アンダーの単独首位でホールアウト。
一方の成田は10番(パー4)をボギーのあと、14番(パー4)のバーディで15アンダーにして、残り4ホールを残して1打差まで迫っていた。
「14番でトップの琴乃が16アンダーっていうことを聞いたのですが、残り4ホールで自分のゴルフをすれば追いつけると思っていました」
そして成田が香妻に追いついたのは17番(パー4)。2打目をピンまで残り134ヤードを9番アイアンで打ち、2メートルに寄せてバーディ。トップに並んだ成田は18番(パー4)をパーセーブして、勝負はプレーオフへ持ち込まれた。
成田にとってプレーオフは少しチャンスだった。それは昨年のNEC軽井沢72と今年のヨネックスレディスをプレーオフで勝利しているからだ。場数を踏んでいれば精神的に少しの余裕は生まれるものだ。
18番ホールでのプレーオフは香妻がパー。そして、
「今は9番アイアン以下のクラブが一番安定しています」
と自信たっぷりの成田は、ピンまで116ヤードまでの2打目を9番アイアンで1.5メートルにつけ、バーディを奪って勝利を手にした。
プレーオフでの勝利は3戦3勝。勝負強さにさらに磨きがかかった貫録の勝利だった。
「今までで一番周りを気にせずゴルフができました。というのも、今まではボードを見てプレーすることが多く、キャディさんにも見るなと言われていました。今季2勝の試合はいずれもボードを見ていません。でも、今日はボードを見つつ、自分のメンタルに波を立てずにプレーできました。先にバーディ取られたから、自分もバーディを取らなきゃと思うことはありませんでした」
今季3勝目でツアー通算5勝。自身が目標としていたメジャー含む3勝はすでにクリアしたが、これで満足する成田ではない。
「まだメジャーが3つ残っていますし、4日間大会もあるので、尻すぼみにならないように1勝、2勝と狙っていきたいです。賞金女王ですか? 詰めてきたという感じはあるので、アン(ソンジュ)ちゃんを意識してやっていきたい」
成田は3勝を手にした今でも、あまり余裕がなく、あまり自信もないと言った。 それでも、
「気持ちの強さだけは誰にも負けないと思っています」
とキッパリと言ってのけた。安定した強さが備わってきた成田の快進撃は、これからも続きそうだ。
文・キム ミョンウ