サマンサタバサ ガールズコレクション・レディーストーナメント
<記者コラム>バーディ合戦も悪くない!? 予選カット最小スコア記録更新
予選カット最小スコアとなったサマンサタバサガールズコレクション・レディース。大観衆が女子の技に魅了された 写真・鈴木祥
記録を2打縮める最小スコア記録が達成されたのは、サマンサタバサガールズコレクション・レディース(7月18~20日、茨城県・イーグルポイントGC)の2日目だ。
これまでの予選カット最小スコア2アンダーを更新する4アンダーがカットラインとなった今大会。選手も競技委員もビックリだったのが印象的だった。
「ビックリしました。4アンダーがカットライン。すごいですね」(ディフェンディングチャンピオンで開催コース所属の吉田弓美子)
「みんなうまいですね。怖いですよね……」(北田瑠衣)
「カットラインは3アンダーだろうから、私の4アンダーは1打余裕があると思ってプレーしていましたが、上がってみたらビックリ。ヒヤッとしました」(穴井詩)
実は、選手のみならず競技ディレクターもビックリだった。
「昨年と同じ2アンダーを予選カットラインとして見ていましたが、4アンダーは想定外です」(競技ディレクター)
今年、今大会終了時点の19試合の予選カットラインの平均は2・21オーバー。今大会前までの予選カット最大スコアは6オーバーで、同最小スコアは1アンダーだったことを考えると4アンダーは際立つ。
その理由は、天候と開催コースが関わってくる。まずは天候だ。
「毎晩のように雨は降っていました」(成田美寿々)
「いつもなら止まらないグリーンの場所でも止まりましたね」(穴井)
ベテランの表純子は次のように説明してくれた。
「雨の影響が大きいと思いますが、とにかくグリーンが軟らかくて止まりました。場所によっては、ボールが埋まってしまうという表現をしてもいいくらいでした。距離は昨年より伸びましたが(今年6528ヤード、昨年6474ヤード)、フェアウエーも広いですし、グリーン周りのラフからも、それほど難しさを感じませんでした。風もほとんどありませんでしたから、いろいろな条件が重なっての4アンダーだと思います」(表)
コースの面では、大会側も好スコアはある程度予想はしていた。
「雨が降ったことでグリーンが止まりやすくなり、初日からスコアが出たという見解です。コース自体も、花道が広く、どこにピンを切っても難しいという状況にはなりません。ただ、4アンダーは……」(前出・競技ディレクター)
結果、優勝スコアは16アンダーのバーディ合戦。3日間競技では、今季2位のスコアだ(最小スコアは17アンダー)。優勝した成田は、
「私はバーディ合戦が好きです。年に何試合かはあっていいと思います」(成田)
結果的に、今季これまでの3日間競技(15試合)では、5番目に多い3日間合計1万4175人が、女子プロたちのバーディに魅了されたのは事実。雨とコースと、忘れてはならない選手たちの腕で作られた予選カット最小スコアだったといえるだろう。
文・井上兼行