ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ
成田美寿々「全米女子、全英リコー女子に出たい」
今後の目標として全米女子オープン、全英リコー女子オープン出場、そしてオリンピックに賞金女王も掲げる成田美寿々 ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ(2014)(最終日) 写真・佐々木啓
ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ(5月8~11日、茨城県・茨城GC、6630ヤード、パー72)
4アンダーの2位からスタートした成田美寿々が、6バーディ、1ボギーの9アンダーでトップのフォン シャンシャンを逆転して今季初優勝、ツアー通算3勝目を飾った。
トップと2打差で迎えた最終日。国内メジャー初制覇に手が届くところまでようやくこぎつけたが、トップは海外メジャー優勝経験もある同組のフォンだった。
「勝つのは難しい相手だとは思っていましたので、どうにか追いつめて最後はプレーオフまでには持ち込めたらと思っていました」
前半を3バーディとして7アンダーまでスコアを伸ばした成田。一方のフォンは前半を2バーディ、1ボギーの7アンダーとして後半へ。
成田は10番でバーディのあと11番でボギー、12番をバーディとして8アンダー。フォンも12番でバーディを奪って8アンダーで並ぶ。
17番も互いにバーディを奪って9アンダーとし、迎えた最終18番。
成田はピンまで143ヤードのセカンドショットを8番アイアンで打って、5メートルの位置につけた。
フォンはセカンドショットをグリーン奥のバンカーに入れてしまったが、ピンまで50センチに寄せる会心のバンカーショット。
「フォンさんは絶対にボギーは打たないだろうと思い、プレーオフのことを考えていました」
バーディパットを外した成田だが、残り50センチ。そして、フォンがパーパットを入れるのを待っていたが、まさかのミスパット。50センチのパーパットを外してボギーとしたのだ。
パーパットを入れれば優勝の成田。
「手が今まで震えたことがないくらいに震えていました。グリップを“ギュッ”と握って震えを止めました」。
最後は慎重なパットできっちり決めて、渾身のガッツポーズ。メジャー制覇を含む、年間3勝の一つを達成した成田に涙はなかった。むしろ笑顔が弾けていた。
今大会に向けて成田は一つ、精神的な安心感を得ていた。今週、成田のバッグをかついだのは、昨年の同大会を制した茂木宏美のキャディを務めた佐藤大輔氏だったことだ。
「メジャーに向けた準備をするといっても、何かを急いでできるタイプではないのですが、去年の大会で優勝している茂木宏美さんのキャディさんにバッグをかついでもらったことが大きかったかもしれません。去年、このコースで勝っているキャディさんがついているということで得られた安心感もあります。たとえば9番アイアンで転がしたりとか、今まで自分が試したことがないことを色々と試してきたので、それが結果につながったのだと思います」
成田はキャディの佐藤氏には、
「茂木さんが産休から復帰するまでキャディをしてもらう予定です」
という。今回の優勝で賞金ランキング1位に立った成田の直近の目標は、
「全米女子オープンの予選を通過することと、全英リコー女子オープンの出場権を獲得すること」
そしてその先の目標はオリンピックに出場することも掲げている成田は、
「賞金女王争いも意識していかないといけない」
と自ら言い聞かせていた。
メジャーという大舞台で逆転勝利した今回の経験は、今後の重要なシーンで必ず生かされることだろう。
文・キム ミョンウ