サイバーエージェント レディスゴルフトーナメント
一ノ瀬優希 プロの意地で有言実行、目標到達!
快進撃を続けるアマチュア選手の存在が発奮材料になった一ノ瀬優希 サイバーエージェント レディス(2014)(最終日) 写真・村上航
サイバーエージェント レディス(5月2~4日、千葉県・鶴舞CC、6515ヤード、パー72)
ホールアウト後も、うれしさが自然に表情に出ている笑顔、笑顔だった。今季、ヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップに続く2勝目は、開幕前に目標にしていた年間複数優勝の目標達成。同大会優勝後、結果を出せなかったモヤモヤの解消。そして、プロゴルファーの一ノ瀬優希が優勝したこと充実感から出た笑顔だったのだろう。
トップと2打差でスタートした一ノ瀬は、前半は伸ばすことができなかった、12番でバーディ、18番(475ヤード、パー5)では花道から33ヤードを直接放り込んでチップインイーグル。2位の森田遥さんに2打差をつける逆転で優勝を飾った。
「18番では、とにかくバーディを取らないといけないという気持ちで、寄せることを考えていました。インパクトで緩むことだけを気をつけて、しっかり打てたのですがまさか入るとは思ってもいませんでした」
ヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップ後の5試合は、予選通過するものの上位進出ができず、前週のフジサンケイレディスでは予選落ち。
「周りも、自分も期待をしているのに結果を出せず、納得するまで練習するのに、それでも成績が出ず……。『努力すれば報われる』といわれるけど、報われないんじゃないか、と思うまでなり、試合が終わっては落ち込んでいました」
今大会前には、悪い流れを変えようとチェンジをした。
「今季、月曜を完全オフにしていませんでしたが、映画を見たり中華街に行ったりととゆっくりしました。それと、アイアンのシャフトをカーボンから人生初のスチールに変えました」
リフレッシュと変化で、ボールを打つことが「すごく楽しくなった」という。加えて、初日から快進撃を続けるアマチュア選手の存在も発奮材料になった。
「アマチュアがトップということで、変なプレッシャーがありました。やっぱり、プロのトーナメントですから、シーズン(37試合)で2回アマチュアが勝つのは……、という思いはあります」
もちろん、10代のアマチュアの活躍は一ノ瀬にとっても刺激になっている。
「森田(遥)さんはうまいですよ。私(25歳)より下の世代が上に上がってくるのはうれしいことです。でも、同じ舞台で戦っている以上、私は“自分が上に立っていたい”と思っています」
今季2勝目で次の目標は、全米女子オープン、全英リコー女子オープンに出場し結果を出すことだ。その前に、国内メジャー初戦のワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ(5月8~11日、茨城県・茨木GC西C)がある。
「4日間競技は、本当に強い選手しか上位に来ないので、私もその中に入られるよう頑張ります」
充実感に満ちた優勝は、今後のプレーに大きな変化をもたらすだろう。
文・井上兼行