日本女子オープンゴルフ選手権競技
菊地絵理香がプレッシャーの中で得た“自信”
激しい優勝争いを演じ、自信がついた菊地絵理香 日本女子オープン(2013)(最終日) 写真・村上航
日本女子オープン(10月3~6日、神奈川県・相模原GC東C、6652ヤード、パー72)
菊地絵理香は、宮里美香との一騎打ちで敗れたものの堂々の2位タイで試合を終えた。
ホールアウト後に駆け寄ってきた吉田弓美子に「お疲れ!」と声をかけられると、長いプレッシャーから解放されてか、あふれ出る涙を止めることはできなかった。
この日の注目はもちろん最終組だった。優勝をかけた二人の攻防に、訪れた約1万5000人のギャラリーがついてまわった。おそらく、これだけのギャラリーを引き連れての試合は菊地絵理香にとって初めての経験だろう。
首位の宮里美香を5打差で追う2位からのスタート。菊地自身は優勝争いにからむとは、想像もしておらず、14番で追いついた後から精神的につらくなったと本音を吐いた。
「最初は追いかける立場だったので、並んでからトップに立ったあとの16番、17番のパッティングは手に感覚がありませんでした。とにかくショートはしたくないと思っていて、オーバーは仕方ないですね。今はああいう場面をもう少し経験すればタッチが合ってくるかなって思います」
初優勝、しかもメジャーという大一番で、大きなプレッシャーを感じていたのは確かだろう。それでも堂々としたプレーで、もっとやれるという自信はついた。
「最後の18番はバーディがとれたし、2位タイに上がれてよかったと思います」
ホールアウト後の言葉こそ少なめだったが、優勝争いという緊迫した中でのゴルフを経験し、自信も得た。賞金ランキングも一気に順位を上げて14位とした。
もう若手の面影はない。ツアー初優勝の扉を開く日はもうそこまで来ている。
文・金明昱