優勝トロフィにキスをする姜秀衍 スタンレーレディスゴルフトーナメント(2013)(最終日) 写真・村上航
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姜は最終組の一つ前を回っていたが、最終組の野村敏京が8番(パー5)でイーグルを取ったり、一つ前の組を回る佐々木慶子が前半で4つスコアを伸ばすなど、一時は4人が首位に並ぶ大混戦となった。
「12番(パー4)、一番難しいところでバーディが取れたとき、もしかしたら今日は優勝できるかもしれないと思いました。15番(パー4)でバーディを取って3打差となったのを知って、ちゃんと耐えていけば大丈夫だと思いました」
その後、17番(パー4)でボギーをたたき、2位の野村と1打差になったが、18番(パー5)で約8メートルのスライス→フックのスネークラインのバーディパットをねじこみ、力強くガッツポーズ。最終組の横峯がパー、野村、服部がボギーとし、優勝が決まった。
「なんといっていいか分かりません! 空を飛んでいるような気持ちでした」
とバーディパットを決めたときの気持ちを表現した。
優勝のなかった3年、姜を支えたのはギャラリーのあたたかさだという。
「日本に来る前は、外国人として違和感を持たれるかな……と不安もありました。でも、ギャラリーの皆さんが家族のように迎えてくれて、ファンになってくださる方もできました。本当に楽しかったから、この3年間が長いとは思わなかった。いつまでゴルフができるか分からないけど、カッコイイうちに引退したいと思っています。それまでずっと日本ツアーで頑張りたい。今日優勝できたことで、もうちょっと頑張れるかな」
現在37歳。同じ1976年生まれには、学年は姜が一つ上だが50勝の不動裕理がいる。今季は茂木宏美や表純子の“アラフォー”優勝も話題となっている。まだまだトーナメントを盛り上げる存在となりそうだ。
文・武井真子