ゴルフ5レディス プロゴルフトーナメント
吉田弓美子 やりきった感満載です
会心のラウンドで、優勝と大きな自信を手にした吉田弓美子 ゴルフ5レディス プロゴルフトーナメント(2013)(最終日) 写真・村上航
ビッグネームと称した二人との最終組で優勝を遂げた吉田弓美子が、大きな自信を手にした。
2010年、11年の賞金女王で3週連続Vを狙うアン ソンジュ。通算7勝を挙げ賞金ランキングトップ10以内常連の佐伯三貴。吉田にとっては胸を借りる存在だ。
吉田は1番(パー4)でバーディを奪うと3番(パー3)ではあわやホールインワンのショットでバーディを奪う。後半に入って13番までに3つのバーディを奪って単独首位に立った。16番(パー4)で佐伯に並ばれたが、5バーディノーボギーの67、通算12アンダーでプレーオフに進出。
「自分に自信がないので、“今年複数回優勝したんだよ”って自分に言い聞かせてやっていました。今日は5アンダーを目標にしていましたが、自分に悔いのないゴルフができたので、勝っても負けても今後につながると思っていました」
18ホールで満足感を得ていたが、プレーオフでも気を緩めない。プレーオフ3ホール目まで互いにパー。4ホール目は佐伯の3パットのボギーに対して、1.5メートルのパーパットを沈めて今季3勝目をつかんだ。
「以前の私は、ビッグネームとラウンドするとビビっちゃっていました。昨年ぐらいから胸を借りるつもりでプレーするようになりました。前までは自分のことで精一杯で周りが見えていませんでしたが、今は周りの選手のプレーをじっくり見られるようになりました」
この試合でもパットの名手の佐伯からヒントを得ていた。
「(佐伯)三貴さんのパッティングストロークを見ていて、すごいゆっくり打つんだなと思って、ラウンド中は、ストロークが早くならないようにリズムよくやろうと思っていました」
1080万円の優勝賞金を加算して賞金ランキングは2位に浮上。トップの森田里香子とは2327万円差余り。来週の日本女子プロゴルフ選手権は優勝賞金が2520万円。成績次第では逆転する可能性が生まれるほど差が縮まった。
「いやいや、賞金女王・吉田弓美子なんて似合わないですから(笑)。技術的にもまだまだビッグネームの方には及びません。ただ、森田さんを脅かせる存在になれたらいいなと思います。年間3勝だって非現実的な感じですから」
常に謙虚の塊の吉田。ただ、今日のラウンドを振り返ると、
「やりきった感満載です」
と、会心のラウンドだった。この自信が吉田をさらに大きくすることは間違いない。
文・小高拓