入会志願者の減少に危機感を持つPGAの“奥の手”は女性会員受け入れ!?

 少子高齢化が急速に進んでいる日本。企業は人手不足に悩み、学校は入学志願者の減少によって存続の危機に立たされる。一般社会とは少し離れたところにあると思われているプロゴルフ界も決して例外ではないようだ。
 12月12日、日本プロゴルフ協会(PGA)の定例理事会を終えて記者の質問に答えた倉本昌弘会長が「このままの推移を辿れば、ゆくゆくはPGAの入会者がいなくなってしまう」と、危機感を露わにした。
最盛期には2000人以上が受験したというPGAの入会試験。しかし現在は1000人に届くかどうかというところまで落ち込んでいる。また、ティーチング会員に冠しても500~600人をピークとして受験者が減少し、現在は170人程度しかいないのだという。
ただ、現状ですでに“プロゴルファー”は供給過剰ではないのか、という指摘もある。矢野経済研究所(矢野経)の調査によると、現在プロゴルファーと名乗って活動しているのが約9000人。うちPGAが約5500人、LPGA(日本女子プロゴルフ協会)が1000人。他の団体とダブっている人もいるが、2500人~3000人くらいがPGA、LPGA以外の資格でプロを名乗っている。NGFやインストラクター協会などPGA、LPGA以外に10以上の団体がある。ゴルファー人口の減少が叫ばれる中、プロが増えるほど、一人あたりの食い扶持は減るわけだから、これ以上、同業者が増えないほうがいいという考え方のプロもいるだろう。
しかし、そうではないと倉本会長は反論する。
「矢野経の最新のデータでは、ゴルファーはまだ760万~780万人いると出ている。これからゴルファーが減っていって下げ止まるのが500万人といわれており、例えばその1割、2割の50万人がレッスンを受けたいとなったときに、われわれはそれを供給できないわけです。このままプロが減っていって、年間3人とか4人しか入らなくなったら……。結局、他団体に職場を取られるだけですから」
 かといって、他団体にやめろとはいえない。むしろ、他団体にいるプロをいかに取り込むかという議論になりつつあるという。
「われわれは1年くらいかけて勉強するが、短期間で資格を認定してしまうところも少なくない。われわれとしては短期にするつもりはないが、今考えているのはe-ラーニングなど。わざわざ講義を受けにこなくてもいい仕組みをつくって勉強をしてもらう。勉強してもらったあとに集まって試験を受けてもらう。実技は実技でまた別でやればいいので。そうやっていけば変わっていくと思っている。あとはそれを一般会員が理解してくれるか」
 さらに、いわゆる“プロテスト”=入会審査の方法にも改革を考えている。今は1年に1回、一発勝負で158ストローク以下をクリアしなければならないが、それを年に何回かチャンスを与えるようにするといった案を口にした。しかし、レギュラーツアーの選手にとっては必須ではないPGAのプロ資格。ツアープロの資格試験としての性格は薄れているといっていい。ゆくゆくはプロテスト自体をやめるのかという質問に対しては「いろいろな案を出さなければいけない」といいつつも、否定はしなかった。
 ツアープロの認定機関としてよりもティーチングプロの養成機関としての性格に、大きく舵を切っていきそうなPGAだが、さらなる奥の手が女性会員の受け入れだ。
「(PGAの)定款上、男女の区別はない」という倉本会長。つまり、PGAの定款には「男性プロゴルファーの団体ですよ」とは一言も書いていないということ。LPGAはそもそもPGAの女子部が独立してできた団体だが、その際、PGA本体の定款は変更されることなく、今に至る。しかし、実際には女子の志願者は受け入れていないのが現状。これを変えることも改革の一つとして視野に入れる。
「女性のプロを派遣してほしいといわれたときに、われわれは対応できない。これは良くないのではないか」(倉本会長)という問題もあるが、LPGAのティーチングプロ講習はPGAが担っており、PGAが女子のティーチングプロの養成を行っても何の不都合もないという事情もある。実際に、米国のPGA・オブ・アメリカ(PGAツアーとは別組織)には多くの女性会員が存在し、現在の会長も女性だ。いかなる場面でも男女平等を求められる現代、女性のみの団体が存在するからといって、女性が全員そちらを選ばなければならないというのも、古い考えなのかもしれない。

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