ファンケルクラシック
羽川豊が完全優勝で大会2連覇を達成!
自身初の完全優勝で大会連覇を果たした羽川豊 ファンケルクラシック(2014)(最終日) 写真・PGA
ファンケルクラシック(8月22~24日、静岡県・裾野CC、6911ヤード、パー72)
4人が首位に並んだ混戦の最終日を制したのは、羽川豊(56)だった。
今大会2度優勝と相性のいい高見和宏(54)、現在賞金ランク1位の奥田靖己(54)、昨年賞金王の室田淳(59)、そして昨年覇者の羽川という豪華な顔ぶれの4人が4アンダーの首位でスタート。
高見が1番をバーディスタートで抜け出すと、5番、9番と3バーディを奪い、2位に2打差をつけて前半を終えた。同じ最終組の羽川は8番のバーディで5アンダー。
「前半は高見ちゃんに流れがあった。スイスイと3つとったからね。でも、高見ちゃんがパットを打ち切れていないのが見えていた。やっていても解説者の目で見ちゃうことがある(笑)」
と振り返る羽川。テレビ解説者として多くの選手のプレーを見てきたその目には、高見に傾いていた流れが変わることが見えていたのか。
一時は通算7アンダーまで伸ばした高見が14番でまさかのダブルボギー。羽川は15、16番の連続バーディで一気に逆転し、通算7アンダーで大会連覇を果たした。
これでシニアツアー通算3勝目を挙げ、賞金ランキングも1位(2044万円)に浮上。シニアでは自身初の完全優勝で大会連覇を果たし、
「連覇はそんなに簡単じゃない。初日から気が抜けなかった。まくるのが好きなんで、こういう試合展開は初めてじゃないかな」
という羽川だが、昨年12月にぎっくり腰になり、今年7月には関西での大会で再発。2週間動けず、ハリ、整体、あらゆることをやったという。けがも多くなるシニアだけにスイングについても、
「いろいろと考えている。若いときはサラッとできるけど、練習でできて試合でできないことも多い。今回は背筋を少し張るようにした」
という羽川には目標がある。賞金ランク4位に入って、来年も全米プロシニアに出場することだ。そしてもう一つ、日本シニアオープンへのこだわりもある。
「日本学生、日本オープンに勝っているんで、日本シニアオープンに勝つのはモチベーションを上げるための目標ですね。でも、あまり時間はないし早くしないと」
と笑う羽川、大会会場では広島県の豪雨災害への義援金を募る募金箱が設置され、「ゴルフ界もチャリティーを続けていくのが大事」と、賞金(1500万円)の10パーセントをPGAを通じて寄付することも明かした。
【主な選手のコメント】
中村直典(2位タイ、通算5アンダー)
「チューズデー(大会独自の予選会)から出ました。この大会は本戦4回目で今まで3回は予選落ち。初めて賞金をもらいました。優勝? 有名な方ばっかりなのでおこがましくて。18番パー5はイーグル狙いではなく、ティにいるときに2打目を刻んで3オン狙いと決めていました。2位でいいと思いましたので。子どもが1歳半なので、おもちゃでも買って帰ります」
倉本昌弘(2位タイ、通算5アンダー)
「これだけチャンスが入らなかったらこんなもんですよ。18番(5メートルのイーグルチャンス)は真っすぐのいいライン。打った瞬間はど真ん中から入ると思ったんだけど、何かに跳ねたみたいで左に行ってしまった。ショットはいいし、あとはパッティング。これは試合のグリーンでやらないとよくなっていかない。(優勝は)これから試合も増えてくればね」
高橋勝成(6位タイ、通算4アンダー)※グランドシニア賞(60歳以上の1位)で300万円を獲得
「18番でバーディを取らないとメシさん(飯合肇)がイーグルなら負けると思ってね。スコアが分からなかったから、2オンを狙ってうまくバーディが取れた。最近はスコアを作れないゴルフが続いていた。今日は優勝とかよりも、スコアをきちんと作りたいと思ってやった。賞金ランキング(シード権)にも入らないといけないので、ショートアイアンをしっかりやらないといけないと思っている」
大山健(41位タイ、通算4オーバー)※初日首位。18番のイーグル賞100万円を獲得
「最初と最後を締めたって感じでしたね。イーグルパットは15メートルぐらい。強めに打つぞって打ったんですけど、距離がピッタリだったみたいですね。100万円いただいて、みんなに冷やかされました。今回はトッププレーヤーと回れていい勉強になりました。2日目に回った羽川さん、室田さんはレギュラーのころにピークを少し過ぎたあたりで一緒にプレーしたこともあるんですが、シニアになって元気になって、強くなっているように思いました。いい見本を見たので自分も頑張れば、あそこにいけるのかなと目標ができました」