日本プロゴルフシニア選手権(10月10~13日、茨城県・サミットGC、6921ヤード、パー72)
攻めるべきか、守るべきか……その決断に悩むことがある。グレゴリー・マイヤーもその逡巡(しゅんじゅん)の中でプレーしていた。
「攻めたいという気持ちはあるけれど、ミスしたときの代償も大きい。守ってばかりいては、追いつけない」
という気持ちにさせているのは、公式戦にふさわしく仕上がったグリーンである。秋めく中で、まるで夏に戻ったような天候と乾燥で、グリーンはベストショットをしなければ止まらない。その計算がなかなかできないで攻めあぐむのである。
それでもマイヤーは、初日から68、72、69で通算7アンダー。首位を走る渡辺司と5打差の2位である。
「初日、2日目と(渡辺)司さんと回ったんだけど、ああいうゴルフができたらなぁと思います」
3日目の今日も、前半4ホールで3バーディと幸先のよいスタートだった。その流れにブレーキがかかったのは、6番(パー3)のボギーだった。攻めるゴルフの矛先がひるんで、心の片隅にあった守りのゴルフが増幅してしまう。それがこのコースの恐ろしさである。
「明日もバーディ、バーディというスタートを切りたい」というコメントは“攻めて行く”というスイッチにしっかりと切り替わった心情の表れだと思う。
文・三田村昌鳳