渡辺司 迷いを消し、最後に下した豪快な決断
ガラス細工のような繊細さと、豪快な大胆さを合わせ持っていないと、ゴルフの戦いには勝つことができない……と昔から言われている。
ガラス細工のような繊細さと、豪快な大胆さを合わせ持っていないと、ゴルフの戦いには勝つことができない……と昔から言われている。
よほどプレーオフ1ホール目の、3メートルほどの距離を外したのが悔しかったのか「敗れた人間は、語るものではないでしょう」と口が重かった。
国内シニアのメジャー第1戦、日本プロゴルフシニア選手権最終日。渡辺司が室田淳とのプレーオフを制し、2008年以来となる5年ぶり2度目の優勝を果たした。
2位と5打差。12アンダーで独走している渡辺司は、外側から見れば楽勝のペースで最終日を迎える、はずである。
攻めるべきか、守るべきか……その決断に悩むことがある。グレゴリー・マイヤーもその逡巡(しゅんじゅん)の中でプレーしていた。
フランキー・ミノザと一緒にラウンドする選手の誰に聞いても、「彼は、ほんとに穏やかな選手だ」と口をそろえて言う。
植田浩史のプレーを見ていると、なぜか合気道の武道家のような気がしてならない。柔の中に剛がある。滑らかさの中に、ゴルフに対する信念を感じるからだ。
国内シニアのメジャー第1戦、日本プロゴルフシニア選手権3日目は、トップからスタートした渡辺司が3バーディ、1ボギーと二つスコアを伸ばし、通算12アンダーで2位に5打差をつけて首位をキープした。
初日に71のエージシュートをマークした青木功。今日はホールアウトするなり「うーん。今日は辛かったなぁ」とため息をついた。
10番ホールからの午後スタート組だった室田淳は、午後になって風が強く吹き荒れるつらいラウンドとなった。「うーん。本当はもうちょっと攻めたかったんだけど、