トップ杯東海クラシック
期間:2018年09月27日 ~09月30日 | 場所:三好カントリー俱楽部 西コース 7330ヤード (パー72)
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最難関ホールで駆け引き勝ち 「キューちゃん」が「タイガーに勝った男」を制して日本初V
陽気なアンジェロ・キュー、この日はきゅうりキャップ!?を着用 トップ杯東海クラシック(2018)(最終日) 写真・鈴木祥
<トップ杯東海クラシック 最終日◇30日◇三好カントリー倶楽部 西コース(7,330ヤード・パー72)>
日本ツアー参戦から4年目して、ついに“キューちゃん”が栄冠を掴んだ。「トップ杯東海クラシック」最終日、アンジェロ・キュー(フィリピン)が6バーディ・ノーボギーの「66」とスコアを6つ伸ばし、トータル17アンダーで日本ツアー初優勝を挙げた。
首位と1打差で迎えた最終日。目標は3つか4つ伸ばすことだった。だが、「今週で一番いいショットが何度も出た」と序盤から好プレーを連発。13番で約3mを沈めて、4つ目のバーディを奪うころには気づけば首位に立っていた。
だが、同組のY・E・ヤン(韓国)が15番でバーディを奪うと、2つ前の組のW・J・リー(オーストラリア)も連続バーディで追いついてくる。そんな中で迎えた今大会最高難易度タイの16番パー3。ここで明暗が分かれた。
左は崖。「ミスしても間違った方向にいかないように、というのはキャディとの約束事」とトラブルを避けるようにグリーンに乗せたがバーディパットは6m。先に打ったヤンのほうが内側についていた。だが、陽気なフィリピーノはここでもポジティブに考えた。「ここで先に入れられれば、ヤンさんにプレッシャーをかけられる」。狙い通り沈めてバーディとすると、その後に打ったヤンは決められず。勢いそのままに17番でも伸ばして2打差をつけ、迫り来る2人から逃げ切った。
「ベリーベリーハッピー!まだ驚きを隠しきれません。じわじわと喜びを感じています」と喜びを口にしたキュー。「ヤンさんはメジャーも勝っている素晴らしいプレーヤー。そしてもう一人は片山さん。2人のレジェンドと同じ組でいいスコアで回ることができた。尊敬する選手と回れるのはとてもうれしいし、そこで勝てたことは自信になる」と優勝争いをともに戦った2人について話した。
常にポジティブなのは、コーチであるボン・ロペス氏の教えだ。「彼は20年以上私のコーチをしてくれていますが、コーチという以上に友人です。どのようにゲームを戦っていくか教えてくれますが、それ以上に人生をどうやって生きていけばいいかを教えてくれる。彼はポジティブ。悪い状況でも、その中でどうやっていいことを見つけるかをできる人です」。
たとえ相手の方がチャンスでも、その中で自分にポジティブなことを見つける。それが「全米プロゴルフ選手権」でタイガー・ウッズ(米国)に逆転勝ちした歴戦の強者相手に役に立った。
ツアーメンバーや関係者からは「キューちゃん」の愛称で知られるキュー。「日本のアニメが好き。フィリピンでもやっていてアニメで日本語を覚えたよ(笑)」という親日家で、ヘッドカバーはゲゲゲの鬼太郎のものを使用。今ハマっているのは『BLEACH』で、『オバケのQ太郎』も「見たことはないけど知ってるよ」ということで、ティオフ時の登場曲を選べる「KBC オーガスタ」では同アニメの曲を選ぶお茶目な39歳。
また、“気楽にGO!”“YAKINIKU”“Made the cut(予選突破)”といった文字の入った面白キャップを被るのもキューの特徴の1つ。この日は「マネージャーに被って、と言われてね。何かイマイチ分かってなかったけど、名古屋に関係あることは分かってたよ」と愛知県に本社をおく東海漬物株式会社の商品『きゅうりのキューちゃん』のようなイラストが入ったキャップを着用。「日本のみなさんはキューちゃんと呼んでくれるし、“キュー”というのは語呂が良くて好きだよ」と様々な“キュー”を大歓迎している。
ツアー参戦から初優勝まで4年かかったが、「決して長かったとは思わない。アジアンツアーと日本は違う部分が多いから慣れるには時間が必要だったからね」とキュー。今後の目標について「オールドルーキーとして毎年1勝できるようにしたい」と真面目に話したが…。
続けて「これを機に知名度を上げていきたい。僕のことをもっと知りたければウェブサイトを見てください。アンジェロ・キュードットコム。サイトには面白キャップが売っているので、買ってください!」とニンマリのフィリピーノ。実はキャップをたくさん売るほうが一番の目標なのかも…。(文・秋田義和)
記事提供:ALBA.Net(GGMグループ)
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