関西オープンゴルフ選手権競技
大番狂わせなるか!?アマチュアの久保田皓也が単独首位のビッグサプライズ
東北福祉大の久保田皓也です! 関西オープンゴルフ選手権競技(2018)(3日目) 写真・佐々木啓
<関西オープンゴルフ選手権競技 3日目◇19日◇小野東洋ゴルフ倶楽部(7,124ヤード・パー72)>
初々しい笑顔をたたえたながらも、堂々とした口調で、アマチュアの久保田皓也が報道陣からの質問に答える。「昨日までのプレーは100点でしたけど、今日は150点でした」と笑うその表情は、どこにでもいる普通の大学3年生のものだった。
初日からアンダーパーのラウンドを続ける久保田の勢いが、3日目に大爆発した。スタートの1番で、残り110ヤードのセカンドショットをピン1.5メートルにつけてバーディを奪うと、そこから的確なコースマネジメントを駆使し、リーダーボードを駆け上がっていった。
そして上り3ホールは、ドラマのような展開となった。16番ではグリーン手前のエッジから25メートルの超ロングパットを沈めバーディ。これには本人も「まぐれです」と笑ったが、神がかっていたのは、これだけではない。ティショットをピン1.5メートルにつけ連続バーディを奪った17番パー3で首位タイに浮上。そして最終ホールで7メートルのバーディパットを沈め、ついに単独トップへと躍り出た。
終わってみれば6バーディ・1ボギーでこの日のベストスコア「67」をマーク。「4日間でしっかりとゴルフの勉強をしたい」という気持ちで臨んだ大会で、並みいる猛者を抑え首位で最終日を迎える。
実は、今回の舞台となった小野東洋GCは、久保田が高校3年間バイトでキャディをつとめた、いわばホームグラウンド。「月に2、3回キャディをして、その後ハーフを回らせてもらっていました。グリーンは他のコースより読みやすいですし、マネジメントもバッチリです」という勝手知ったるコースなのだ。それだけに、大会前から「他の選手よりも、少し得しているかな」という自負もあったという。
現在は多くのプロを輩出するゴルフの名門・東北福祉大で「ゴルフ漬けの生活」を送っている。「環境は日本一。時間があれば、常にアプローチやパットの練習をしています」という練習量も、今回のサプライズを生み出した要因の1つだ。
憧れの選手で、大学の先輩でもある松山英樹には、「まだ名前を憶えてもらえてないと思う」と笑った。しかし「今回で覚えてもらいたいです」というのもモチベーションに、プレーを続ける。将来は「日本ツアーで活躍し、海外でもプレーしたい」という“松山ルート”を辿ることが目標だ。
この結果を受けても、「明日も、しっかりとプロから学んで、次に繋がる試合をしたい」と考えは初日から決してぶれない。「順位を意識せずできることをする。1打1打集中していきたいです」。この無欲の先に、大きな栄光があるかもしれない。(文・間宮輝憲)
記事提供:ALBA.Net(GGMグループ)
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