トップ杯東海クラシック
川村昌弘が無観客試合の借りを返す「今度こそ応援に来てもらう」
強風の中でスコアを3つ伸ばし、7位タイに浮上した川村昌弘 トップ杯東海クラシック(2015)(2日目) 写真・鈴木祥
トップ杯東海クラシック(10月1日~4日、愛知県・三好CC西C、7315ヤード、パー72)
3年前の本大会は不運に見舞われた。最終日は台風接近により、安全確保のため早朝にギャラリー入場を規制する措置を決定。1999年のJGTO発足以来、初の「無観客試合」となった。
同大会で3日目に首位と1打差の2位タイにつけていたのが、当時まだ19歳、高校を卒業したばかりの川村昌弘だった。三重県出身で中部では名の知れたジュニアゴルファーだった川村にとって、会場の三好CCは隣県の愛知ながら地元といっていい。期待の若手が地元で優勝争いしていたのだから盛り上がっていたのだが……。
「(プロ入り)1年目も最終日に最終組で回りました。3日目が終わって、知人らが応援に行くよと言ってくれていたんですが、無観客になってしまって(笑)」
気落ちしたわけではないだろうが、川村は最終日に77をたたき優勝争いから転落。11位タイで大会を終えた。そんな苦い経験のある川村が強風の中、1イーグル、2バーディ、1ボギーの69でラウンド。スコアを3つ伸ばして、首位と4打差の7位タイに浮上した。
「ティショットがラフにいっていないのでゴルフが楽です。ショットがめちゃくちゃいいわけではありませんが、ひどい状態ではないです。ずっとひどかったので(笑)」
フェアウエーキープ率は2日間で全体の2位。飛距離は出ないが堅実なプレーが光っている。合わせて、アジアンツアーや欧州ツアーなど、昨年1年だけで15カ国でプレーした経験からも悪条件には慣れっこだ。
「風の中のプレーは大好きです。いろいろな球を打つのが楽しいです」
世界を渡り歩く川村らしく、若いながら職人肌のゴルフで順位を上げた。
3年前、川村の応援に来られなかったファンのためにも、明日はさらにスコアを伸ばして、最終日最終組をゲットする!
文・高桑均