トップ杯東海クラシック
金亨成が“想定外”のプレーオフで勝利「名古屋大好き」
プレーオフ2ホール目のバーディで片山晋呉を下した金亨成 トップ杯東海クラシック(2015)(最終日) 写真・鈴木祥
トップ杯東海クラシック(10月1日~4日、愛知県・三好CC西C、7315ヤード、パー72)
3日目を終えて首位と1打差の3位タイにつけた片山晋呉が、「役者がそろった」と表現した最終日。首位タイスタートの池田勇太、片山同様3位タイスタートの石川遼らが後半に入って伸び悩むのに対し、スルスルとリーダーズボードを駆け上がったのが金亨成だった。
前半を2バーディ、1ボギーで折り返した金。その時点で首位との差は5打と、優勝はあきらめていた。
「後ろの組で歓声がワァーって上がっていて、キャディさんや同組の人と、これはもう優勝のチャンスはないねと話しながらリラックスしてプレーしていました」
そんなリラックス効果もあってか、12番でバーディを奪うと、14、15番で連続バーディを奪い、金の猛追が始まった。
「16番も4メートルの上りのバーディチャンスでしたが、そのとき初めて、これを入れれば優勝できるかもしれないと思いました。でもそれが外れてやっぱりダメかなと思いましたけど(笑)」
それでも17番で5メートルを沈めると、最終18番では2メートルを決めて通算12アンダーでホールアウト。後続を待った。最終的には片山が18番で絶好のバーディチャンスを外してプレーオフに突入した。
「片山さんは強いけど、それは考えないようにして、自分のゴルフのことだけを考えました。まさか優勝できるとは思っていなかったので、ヤバイくらいうれしいです」
プレーオフ1ホール目はともにパーで分けると、2ホール目で金がスーパーショットを見せた。ティショットが薄く当たり、セカンドは215ヤードと距離が残ったが、これを2メートルにつけてバーディで決着。昨年の中日クラウンズ以来のツアー通算4勝目を決めた。
「中日クラウンズでも勝てましたので名古屋は大好きです。食べ物もおいしいし、人も好きだし。ひつまぶしも大好きです」
木曜の朝には首に痛みが走り、棄権も考えたという金。無理をせず完走を目指した結果、片山、池田、石川らの“主役級”を押しのけて見事栄冠を勝ち取った。
「韓国でも賞金王になったことがないので、取ってみたいです。ワールドランキングも上げて米ツアーにも行きたいです」
まずは、日本ツアーの賞金レースを独走する金庚泰を追うところから始まる金。賞金額の高い秋のビッグトーナメントに向けて絶好のスタートを切った。
文・高桑均