ISPSハンダグローバルカップ
異色の経歴を持つ広田悟が首位タイの好発進
5年ぶりのシード復活、10年ぶりの2勝目を目指す広田悟 ISPSハンダグローバルカップ(2015)(1日目) 写真・佐々木啓
ISPSハンダグローバルカップ(6月25日~28日、山梨県・ヴィンテージGC、6774ヤード、パー71)
メジャーチャンピオン2人を含む世界強豪選手が多数出場するISPSハンダグローバルカップ第1ラウンド。5年ぶりの賞金シード復帰を目指す、異色の経歴を持つ広田悟が5バーディ、ノーボギーの66で回り、首位タイの好発進をみせた。
コースにはアップダウンがあり、風の方向が変わり縦の距離感が合わせにくいと言われる中で、広田はショットがさえた。
「これまで下半身を使って、無理やりスイングをしていたんです。体を使いすぎずクラブに仕事をさせるようにしたら、いい方向にいきました。ショットの距離感は野生の勘でうまくいきました(笑)」
パーオン率72.22パーセント(4位タイ)が示すようにバーディを奪ったホールは1メートル2回、3メートル1回、パー5で2オン2パットが2回とショットでチャンスにつけ、大きなピンチを招かなかった。
広田といえば学生時代はバイクを乗り回し、プロ転向前は建築関係の仕事に従事するなど異色の経歴を持つ。それでも、22歳でプロテストに合格し、腕を磨くと2002年に初シードを獲得し、05年にはマンダムルシードよみうりオープンで初優勝。
11年までシード選手として活躍したが、ここ数年はシード復活とはいかず、今季もファイナルQT27位で前半戦の出場権を獲得した。
「飛ばし屋が有利にならないこのコースなら、自分も戦えます。ここでやらなきゃどこでやるって感じですよ。それに“よみうり”にも似ていますしね」
開催コースのヴィンテージGCは、総ヤーデージは6774ヤードと短く、ティショットでドライバーを持てないホールもあり、正確性重視の広田向きのコースでもある。また、初優勝を挙げたコースと雰囲気が似ていることも、気分よくプレーできているという。
広田は今季5試合に出場してすべて予選落ち。3試合後のダンロップ・スリクソン福島オープン終了時点で出場優先順位のリランキングが行われるため、少しでも賞金を加算して、後半戦出場できる位置まで上げたいところだ。
「前半戦は空回りしていましたが、リランキングも近いので、この試合をきっかけに後半戦につなげていきたいです。チャレンジも出ていますが、本当はこっち(レギュラーツアー)でやりたいです。あと3日間、続けたいですね」
チャレンジツアーの賞金ランキングで来季の前半戦の出場権獲得も狙えるが、本音はレギュラーツアーでシードを狙っている。5年ぶりの賞金シード復帰に向けて手応えをつかみつつある。
文・小高拓