中日クラウンズ
I・J・ジャン、得意の和合で欲を出さずに今季初優勝
難コース和合を安全策で制し、大会2度目の制覇を果たしたI・J・ジャン 中日クラウンズ(2015)(最終日) 写真・村上航
中日クラウンズ(4月30日~5月3日、愛知県・名古屋GC和合C、6545ヤード、パー70)
首位タイでスタートしたI・J・ジャンが4バーディ、1ボギーの67で回り、通算10アンダーで2位に4打差をつけて今季初優勝、ツアー通算3勝目を挙げた。
2打差の3位グループの近藤共弘、手嶋多一、李京勲の3人が3番までにそれぞれ二つスコアを伸ばして首位に並ぶなど、後続組が伸ばして大混戦となる。しかし、1番、2番でバーディを取れなかったジャンは、4番(パー3)、5番(パー4)で連続バーディ。通算9アンダーとして抜け出す。その後は、和合を相手に全員が我慢を強いられたが、もっとも我慢できたのがジャンだった。
2位に3打差で迎えた13番で1メートルのパーパットを外して、この日初のボギーをたたくと流れが悪くなる。しかし、14番(パー4)で8メートルのパーパットを沈め、15番(パー5)は3打目を右のガードバンカーに入れたが、きっちりパー。続く16番(パー4)は、ティショットを左サイドのフェアウエーバンカーに入れる。
「昨日、同組の(李)京勲選手がバンカーからOBを打っていて気になっていました。あの状況はグリーンをショートしても、オーバーしてもボギーになりやすいんです。このショットがポイントでした」
ここでミスをすると後続に追いつかれる可能性もあった。ピンまで89ヤードを58度のウェッジで打つと2.5メートルに乗せるスーパーショットを見せてパーセーブ。終盤難度の高いホールが続く中で、ジャンにプレッシャーをかける選手はいなかった。
「このコースはコースマネジメントが重要です。欲を出すとスコアは崩れます。我慢をしていたらスコアが出ます。グリーンが硬くて速いし、小さい。グリーンセンター狙いがいいですね」
2011年大会以降、5戦中、優勝2回、2位2回と得意とするジャン。和合の攻略法は欲を出さないことという。1オンも可能なパー4の1番や16番は徹底してドライバーは握らない。クラブ選択に迷ったら、安全策を選択する。バーディ欲しさに攻めることは一度もなかったのが勝因である。
文・小高拓