中日クラウンズ
20年連続賞金シードを狙う手嶋多一が2位に浮上
首位に2打差の2位で決勝ラウンドへ進んだ手嶋多一 中日クラウンズ(2015)(2日目) 写真・村上航
中日クラウンズ(4月30日~5月3日、愛知県・名古屋GC和合C、6545ヤード、パー70)
中日クラウンズの第2ラウンドが行われ、2アンダーの8位タイから出た46歳の手嶋多一が、7バーディ、3ボギーの66と4つスコアを伸ばして、通算6アンダーで首位と2打差の2位に浮上した。
1番(パー4)で幸先よくバーディ発進した手嶋。ツアープロにとってバーディは薬といわれるものだが、合言葉は「我慢」とされる和合においては、そうとも限らない。
「1番でバーディが来たので今日は守るのか、攻めるのか、心の持ち方が難しかったです」
第1ラウンドは、「ピンを狙わず、ボギーを打たないように」と、今大会2年ぶりにアンダーパーをマークしたが、1番のバーディで攻める気持ちが芽生えてしまった。その結果2番(パー5)は3パットのボギー、3番(パー4)は2打目をバンカーに入れてボギー。続く4番(パー3)のティショットは、「70ヤード右に飛んだ」というシャンクと、試練が続いた。
「ボギー、ボギー、シャンクときた時には予選落ちも考えましたよ。あのアプローチはよかったです」
シャンク後のアプローチを30センチに寄せてパーセーブに成功。ここから和合の我慢を思い出す。6番以降は6バーディ(1ボギー)とスコアを伸ばせた。
「ここ数年予選落ちが続いているので、今日は予選を通ることが目標でした。昔は好きだったんですけど、イメージが悪いですからね」
1999年から2009年までの10年間は2位1回、3位1回を含む8度のトップ10入りと相性はよかったが、10年以降は13年の57位タイが最高で、5回中4回が予選落ちと人が変わったかのように成績が落ち込んだ。
「ここは1ホールでスコアが動く。決勝ラウンドだからといってピンばかりを狙うとうまくいかない。セーフティにいってチャンスが来たら取ることが大切です」
かつて相性がよかっただけに、戦い方を思い出して自分に言い聞かすように話した。
昨年の日本プロゴルフ選手権日清カップヌードル杯で7年ぶりの優勝を挙げた手嶋だが、賞金シードは19年連続で継続中の最長記録である。5年シードを獲得したが、やはり狙うのは賞金シードだ。今年は開幕戦の第2ラウンドで、2010年以来となる80をたたいて予選落ちに終わった。
「(5年シードで)たるんでいたんですかね。やっぱり賞金シードを取らないと。開幕戦終わってちょっと反省して、先週は練習してやり直しました。練習しない僕が(笑)」
1日50球の集中練習と笑って話したが、その成果は確実に出ている。春先から本気モードの手嶋が、通算8勝目で20年連続賞金シードを決めるのに絶好の位置で決勝ラウンドに進んだ。
文・小高拓