トップ杯東海クラシック
上井邦裕、不安のドライバーを封印してコース攻略
藤田寛之、宮本勝昌に続いてチーム芹澤3連勝を狙う上井邦裕 トップ杯東海クラシック(2014)(1日目) 写真・鈴木祥
トップ杯東海クラシック(10月2日~5日、愛知県・三好CC西C、7315ヤード、パー72)
三好CC所属プロの上井邦裕が、不安を抱えながらも4バーディ、ノーボギーの68で回り、首位と2打差の4位と好スタートを切った。
今季はドライバーショットの不調が続いていたが、前日の練習で原因が分かり修正に時間を費やしていた。練習場ではいい感覚を掴み、「試合でできれば自信になる」と第1ラウンドを迎えた。
インスタートの上井は13番(パー3)で10メートル以上のバーディパットをねじ込むと、バーディの欲しい15番(パー5)でドライバーショットを大きく曲げてパーに終わる。
「やっぱりドライバーもイメージは出なかったです。15番で打った瞬間、ドライバーを使うことを諦めました」
15番でこの日2度目のドライバーを使用したが、いいイメージで打てなかったことでドライバーを封印。その後は3番ウッド、5番ウッドを駆使して、コース攻略に欠かせないフェアウエーキープを心がけた。
「グリーンが硬いのでラフに入れるとグリーンを狙えません。ドライバー以外のティショットはよかったです。フェアウエーをとらえるとチャンスも出てきます」
後半のアウトは、1番で2メートルを沈めてバーディを奪うと、7番(パー5)は3打目のアプローチを“OK”の距離に寄せてさらに伸ばす。そして、この日難易度が1番高い8番(パー3)で8メートルをねじ込んだ。
不安を抱えるドライバーを封印する作戦がハマり、パーオンを逃したのはわずかに2回。コースを熟知する所属プロらしい安定した内容で、ノーボギーで終えた。
「このコースはドライバーを使わなくてもいいのですが、ずっと3番ウッドで打つと面白くないです。ドライバーをしっかり振れるように練習します」
ラウンド後は、テレビ解説で会場に訪れている師匠の芹澤信雄からアドバイスをもらい、新たな修正ポイントに取り組んだ。
「この大会は応援に来てくれる人が多いので、力になります」
不安を抱えながらも、応援を力に変えての好発進。明日以降、ティショット次第ではツアー初優勝という、最高の恩返しも見えてくる。
文・小高拓