長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント

国内男子

石川遼、次の目標はPGAツアー初優勝!

2年ぶりのツアー通算11勝目を喜ぶ石川遼 長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ(2014)(最終日) 写真・佐々木啓
2年ぶりのツアー通算11勝目を喜ぶ石川遼 長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ(2014)(最終日) 写真・佐々木啓

リーダーズボード

順位 選手名 スコア 合計
1 石川 遼 -4 -10
2 小田 孔明 -2 -10
3T K・T・ゴン -6 -7
3T 山下 和宏 E -7
5 デービッド・オー -5 -6
6T 薗田 峻輔 -4 -5
6T 市原 弘大 -3 -5
8T 塩見 好輝 -5 -4
8T 谷口 徹 -4 -4
8T カート・バーンズ -5 -4
長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ(7月3~6日、北海道・ザ・ノースカントリーGC、7127ヤード、パー72)

 最終18番パー5は、560ヤードと距離はあるものの、ティショット次第では2オンも十分可能なホールだ。71ホールを終えて2位の石川遼と首位の小田孔明との差はわずかに1打。飛ばし屋の小田がバーディを奪う確率が高いだけに、少なくとも石川がプレーオフに持ち込むにはイーグルが必要な場面ではあった。ところが、石川の放った打球は、初日から課題にしていた右へのプッシュアウト。

「あの1打が本当に悔しくて、何としてでもプレーオフに持ち込んで、もう一度同じような緊張する場面で打ちたかったんです」

 イーグルを奪うためには、最低でも2打目をグリーン手前の花道まで運びたかった石川。ラフにボールが埋まっていたが、ピンまで残り280ヤードの距離を4番ウッドで打つと、ボールは、フェアウエーを転がり、グリーン手前35ヤードで止まる。いっぽうの小田は、ティショットを右に曲げたが、ラフからフェアウエーに刻み、3打目をピン上4メートルに乗せていた。

「小田さんがバーディパットを入れてくることを考えれば、このアプローチを入れなければいけない。しかし、小田さんが外したことも考えて、たとえチップインしなくても確実にバーディを取れる距離にもつけたい」

 そう判断した石川が選んだアプローチは、転がしだった。実は、同じようなアプローチを大会前に行っていた合宿で重点的に練習していたという。

「ボールにスピンがかかると止まってしまうので、なるべくスピンがかからないように、ドロー回転をかけて打つアプローチです」

 ボールを右足よりもさらに右に置き、ハンドファーストで構える。ボールをクラブフェースで包み込むように手を返しながら打つと、ボールから11ヤードぐらい先に落ちた。ギャラリーの多くが、一瞬弱いと思った打球は、スピンがかかっていないため、スピードを緩めることなく、上り傾斜を転がっていく。ラインにも乗っていたが、惜しくも1メートル手前で止まる。まさに石川が自画自賛するイメージどおりの1打だった。結局、小田が外し、石川が沈めたことで、勝負は通算10アンダー同士のプレーオフへと持ち込まれた。

 1ホール目、再び18番のティグラウンドに立った石川は見事にティショットをフェアウエー真ん中へと運ぶ。まさに、執念の1打だといえる。

 このホールと続く2ホール目(18番)をバーディで分け、迎えた3ホール目(18番) 。3打目をピン手前2メートルにつけた石川に対し、小田はピン左約6メートルに。先に小田がバーディパットを外し、パーでホールアウトしたのを見届けると、カップの真ん中からウイニングパットを決め、両手の拳を天に向かって突き上げた。12年の三井住友VISA太平洋マスターズ以来のツアー11勝目を素直に喜んだ瞬間だった。しかし、それも一瞬だ。

「このコンディションだと、PGAツアーでの優勝スコアはいくつになったのかなとか、10 アンダーだったら何位だったのかなと考えていました。自分はまだまだだと思うし、やらなければいけないことはたくさんあります。次はぜひPGAツアーで勝てるように頑張ります」

 と、早くも気持ちを新たにした石川。今後はこのまま2週間ほど北海道に残って練習するというが、今回の優勝でまた一つ大きく成長したと思われるだけに、米国から吉報が届く日もそう遠くはないだだろう。

文・山西英希

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