TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN Central
塚田陽亮 “流し”のキャディを起用した結果
シンガポール出身のハミッドさんをキャディ起用して先週のリベンジを狙う塚田陽亮 TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN Central(2013)(3日目) 写真・鈴木健夫
TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN Central(10月10~13日、岐阜県・TOSHIN GC Central C、7004ヤード、パー72)
5バーディ1ボギー、この日4アンダーと、粘りのゴルフで3位タイに浮上した塚田陽亮。
「もうちょっと伸ばしたかったのが本音」
と、自分の出来には余り満足しておらず、さらに
「風の日だからコントロールショットをしなければいけないのに、下手くそだった。塚田さんはフルショットのほうがいいってキャディに怒られちゃいましたよ」
そう、ずっと気になっていたのは塚田のバッグを3日間担いでいるキャディ。シンガポール出身のハミッドさんを塚田が起用した経緯は、まさしく劇的だった。
ハミッド氏はアジアパシフィック パナソニックオープンで他の外国人選手のキャディを務め、それ以降は仕事がなく、帰りの飛行機代もままならなかったよう。路頭に迷い、練習日の火曜日にクラブハウスの入り口にいたところ、もともと顔見知りだった塚田が声をかけて、キャディに起用したという。
「僕が14歳でアメリカに行ったころ、英語は幼稚園レベルだったけれど、誰一人としてバカにすることなく手をさしのべてくれた。本当はハウスキャディを雇うはずだったけれど、今度は自分がそれをやる番だと思って決めました」
と、塚田は海外に一人で路頭に迷う心境がわかるだけに、思い切った行動に出た。
「ミスも多いし、水を飲むタイミングも食い違う。けれど3日間ずっと外国人選手との組だったから、話は全部英語。その点と、クラブ選択もちょっと。結果はよかったかな」
苦笑いしながら、“流し”のキャディ起用について語った塚田。先週のコカ・コーラ東海クラシックでは、最終日7位タイスタートながら崩れ、22位タイに終わっている。
「今は一打一打の改善を実感できているし、ずっと結果を出せず、カメのような存在だった。もうそろそろ、うさぎではなくて早いカメになりたい」
名(迷?)コンビが最終日の大逆転を狙う!
文・石原健司