3日目は同学年の藤本佳則とラウンド。そして、最終日は最終組でジュニア時代やナショナルチームで共にした松山英樹とプレーすることになった小平智。ホールアウト後、松山とがっちりと握手をした姿が印象的だった。
「勢いがある選手なので、その勢いに負けないようにしたいですね」
本当ならもっと差を詰めて戦いたかった。風速4.8メートル/秒と常時風が吹くコンディションの中、3番でボギーが先行したが、8、9番を連続バーディ。難しいセッティング、コンディションの中、耐えることが絶対条件だっただけに、前半はもくろみどおりだった。ただ、バック9はダブルボギーなどで74。3日目にして初めてオーバーパーとした。
「本当に耐えないといけないセッティングです。でも、耐えるのは本当に難しいこと。4つのパー3すべてでボギーとしたことは悔しいですし、本当にもったいないことです。流れが少しでも悪くなると耐えられなくなります……」
ただ、ギリギリ耐えた結果がトップと5打差の3位タイにつながっている。
「最終日は、さらに耐えることが必要です。でも、その中で攻めるとき、守るときのメリハリをつけることが大切。松山も河野さんもジュニア時代から知っている選手。頑張ります」
小平の魅力はドライバーの飛距離。今大会3日間の平均は300.17ヤードで、ドライビングディスタンスの順位は2位だ。狭いフェアウエーに加え、風もあることからティショットでドライバーを使わない選手も多いが、自分の武器を最大限に生かしている。武器と耐える力。何が起こるか分からないメジャーの最終日、5打差は射程圏内だ。
文・井上兼行、写真・鈴木祥