中日クラウンズ初日、6569人のギャラリーが来場したが、1、2を争う大勢のファンを引き連れていたのが、先週のつるやオープン初日にエージシュートを達成した尾崎将司の組だ。スタート前から「ジャンボがんばれ~!」という声援が飛ぶなど、あらためて人気の高さを見せた。
しかし、前日に「悪コンディションならお手上げだよ」と話していたとおり、強風の初日はノーバーディ、4ボギー、3ダブルボギー。トータル80の10オーバー、96位タイと沈んでしまった。
「白旗が上がっています。ゴルフのやりすぎだ」
とコースを引き上げた尾崎。1年半ぶりに4日間戦ったことで体調が万全に戻らず、腰痛のため棄権となったのは、ファンにとっても残念のひと言だろう。
それでも、見せ場はあった。
1番パー4の2打目。バンカーの上にピンがある状況だったが、左からの風に対して低いフェードボールを打ってピン手前3メートルにつけた。4番パー3のティショットは、左からの強風に対して大きく左に打ち出し、左上4メートルに乗せた。ともにバーディとはならなかったが、さすがのショットだった。
そのショットについて聞いてみると、「あれはよかった」とニヤリ。全盛期の尾崎は右手首を甲側に折った状態でインパクトし、押し込んでラインを出していた。先週のエージシュート時もその動きは多く見られ、次々にピンに絡めるシーンを披露した。
「(右手の押し込みは)だいぶいいが、まだまだだな」
というが、ドライバーショットを含めて納得のいくショットは増え、ショットに手応えを感じている。中日クラウンズは終戦してしまったが、ゴルフ界を盛り上げるために今季の尾崎はまだまだ何かやってくれそうだ。
文・小高拓、写真・村上航