
異様な光景だった。TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN 涼仙(9月6~9日、三重県・涼仙GC)は、雷雨により54ホールに競技が短縮。通算18アンダーで並んだ池田勇太と呉阿順のプレーオフが行われた。しかし、最終日も雷雨による中断が2時間以上あり、最終組がホールアウトしたのが17時40分と日没間近。10分後に開始されたプレーオフは4ホールにも及び、日没後の決着となったグリーンは、投光器とカートのライトが光を照らしていた。
異様な光景だった。TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN 涼仙(9月6~9日、三重県・涼仙GC)は、雷雨により54ホールに競技が短縮。通算18アンダーで並んだ池田勇太と呉阿順のプレーオフが行われた。しかし、最終日も雷雨による中断が2時間以上あり、最終組がホールアウトしたのが17時40分と日没間近。10分後に開始されたプレーオフは4ホールにも及び、日没後の決着となったグリーンは、投光器とカートのライトが光を照らしていた。
異様だったのはライトだけではない。プレーオフ1ホール目は、正規の574ヤードで行われたが、日没によりボールを打つ場所が見えないため、ツアーでは前例のない1ホールごとにティグラウンドを前に出す方式が採用された。勝負の決した4ホール目はピンまで45ヤード。まるでサッカーのPK戦のようだった。
「ボールが見えないのは相手も一緒だけど、でも、正直見えません。申し訳ないけど、無理だわ」
と、プレーオフで敗れた池田。もともと鳥目で暗くなると見えにくくなるため、プレーオフ2ホール目にはほとんど見えていなかったという。
「決められたルールだから仕方ないけど、ナイターゴルフはもう二度とやりたくないね。ただ、自分のゴルフでいえば、14番(パー4)でダブルボギーを打って、二つバーディを取ろうと思っていたら、3つ取ってプレーオフに残れたのはいい感触だよ。強い池田勇太に戻れそうだよ」
プレーオフのことは忘れ、復活の手応えを感じて、前を向く。
「最後は暗くてラインが分かりませんでしたが、自分の勘を信じました。優勝できてうれしいです」
と、呉阿順は中国人として日本ツアー初優勝を遂げた。
しかし、グリーンを照らした投光機やカートのライトは光の色が異なるため、ピッチマークが浮き出て見えたり、まっとうなゴルフはできなかったという。さまざま事情があるにせよ、ツアーとして今後に課題が残ったのは間違いない。
呉阿順VS池田勇太 プレーオフの経緯
最終組がホールアウトしたのが17時40分。日没が近いため10分後にはプレーオフが始まった。しかし、ボールが見えない状態まで暗くなったことから、2ホール目からはグリーン側に投光器2台が投入され、さらにティの位置はグリーンのフロントエッジから145ヤードへ。3ホール目からはグリーンの脇に5台のカートを並べて、ヘッドライトが照らされた。ティはグリーンエッジから100ヤードに移された。勝負を決したのは4ホール目。二人はピンまで45ヤードという位置からショットを打った。池田勇太は第1打を寄せきれなかったのに対し、呉阿順は1オンから2.5メートルのパットを決めて初優勝を飾った。
週刊パーゴルフ(10月2日号)掲載