目的はゴルフの普及……じゃない!? 米LPGAティーチングプロが広める「ガールズゴルフ」

30代後半になってから米国でティーチングプロを志す

 季節や会場によって、さまざまなアクティビティが盛り込まれたGirls Golfを広める小山は、USLPGAティーチング部門クラスAメンバーだ。2016年にインターナショナル部門のジュニアリーダー・オブ・ザ・イヤーを獲得。2018年は、やはりインターナショナル部門のティーチャー・オブ・ザ・イヤーにも選出されている。
 ゴルフを始めたのは遅く、30代後半になってから。だが、それから15年以上が経った今、ゴルフを通じた人間教育の伝道師として、八面六臂の活躍を続けている。
 高校時代はバスケットボールでインターハイ出場、短大時代も陸上部で活躍したスポーツ万能の小山がゴルフにハマったのは、コンペでブービーメーカーとなった悔しさから。日本人駐在員の夫について家族で米サンディエゴにいた頃のことだ。
 すぐにLPGAティーチングプロのサダミ・イワイのレッスンを受け始めると、3回目のレッスンで5Iの鮮やかなショットを繰り出した。確率は「100回に1回くらい」(小山)だったが、コーチを驚かせたことでその気になった。「頑張れば先生みたいなティーチングプロになれますか?」「なれますよ」。こんな会話の後の動きは早かった。
 小学生だった2人の子供と夫に話すのと並行して、紹介されたコースのマネージャーに直談判。毎朝、午前3時起床でお弁当と朝食を作ってから、夜明け前のコースへと向かう。誰もいないコースでディボット跡を直しながら一人でプレーする。その後はレンジとアプローチ、バンカー練習場で腕を磨いた。タイムリミットは子供たちを迎えに行く午後2時。3年10か月後にはLPGAティーチングプロ受験のための条件、ハンディキャップ11となった。ゴルフ理論、スイングメソッド、クラブの知識、コミュニケーション、メンタル、ビジネスと多岐にわたる学科試験も必死でクリアして、5年目にはクラスQを取得。2008年にはサンノゼでレッスンをするまでになっていた。

ゴルフほど教育に向いているスポーツはない

 帰国後も日本で積極的に活動し、USLPGAがアジアの拠点を韓国に作ると、その普及にも奔走。並行して前出のガールズゴルフ、ザ・ファーストティー・プログラムなどにも携わっている。
 女子プロのメンタルコーチを務めたり、プロ志望のジュニアを教えたり、アマチュアのレッスンをしたりという仕事にもそれぞれ深くかかわっているが、それ以上に情熱を注いでいるのが、ゴルフを通じた人間教育だ。「ゴルフほど教育に向いているスポーツはない」と力説。ゴルフを教えるというよりも、人間教育の手段としてゴルフを使う、という考え方で、子供たちを育てようとしている。
 自由な発想で手作り感満載のガールズゴルフはその代表だ。前述した「自分のコースを作ろう」というテーマの時には、仲間のボランティア手作りの布製コースがサンプルで登場。大きなグリーンの布に、グリーンやバンカー、池などがマジックテープで張り付けられる力作だ。これも、小山の求心力があればこそ。地道に見える活動だが、ゴルフの本質を生かし、子供たちの人間的成長を促す素晴らしい手段の一つにちがいない。そのことは、子供たちの笑顔と、自由な発想をみればよくわかる。小山は、この先も、笑顔でエネルギッシュに動き続けるに違いない。周囲の人もその気にさせながら……。

取材/文・小川淳子(ゴルフライター)

スペシャルコンテンツ最新記事一覧

Pargolf Members

すでに会員の方はこちら

最新トピックス

アクセスランキング

ツアー・トーナメント

フォトギャラリー

トーナメントプロ公式サイト・ブログ