実を結んだ契約先メーカー、ダンロップの不断の努力 松山がドライバーを使うようになった一番の決め手は?

契約メーカー、ダンロップの〈ZX5〉で栄冠をつかんだ松山(写真・Getty Images)
契約メーカー、ダンロップの〈ZX5〉で栄冠をつかんだ松山(写真・Getty Images) 【拡大】
日本列島を歓喜の渦に包んだ松山英樹のマスターズ優勝。日本人としてもちろん初の快挙、そして同時にダンロップ(住友ゴム工業)が、優勝者の契約メーカーとして初めてオーガスタを制することとなった。

ただ、ここまでの道のりは平坦ではなかった。松山がデビュー時に使用していたのが同社の〈スリクソンZR30〉。これを8年近く愛用していたが、2016年からはキャロウェイの〈グレートビッグバーサ〉を使用。その後18年にはテーラーメイドの〈M3〉やピンの〈G400 LST〉、19年はキャロウェイの〈エピックフラッシュ〉やテーラーメイドの〈M5〉、20年の前半はテーラーメイド〈SIM MAX〉と、海外ブランドのクラブを使用してきた。

しかし、20年8月のBMW選手権に〈ZX5(プロトタイプ)〉を使用。4年ぶりにダンロップのクラブを握ると、優勝争いに絡む活躍を見せる。ここで手応えをつかんだ松山は、兄弟モデルの〈ZX7〉を使うこともあったが、〈ZX5〉がエースに固定となった。

松山に自社のドライバーを使ってもらうのは同社の悲願。松山のギアを調整する宮野敏一氏によれば、飛距離が出て、スピンも適度に入り、顔や打球音が好みで、ドローとフェードが打ち分けられるのが、松山がドライバーに求める絶対条件。特に苦戦していたのは顔の部分だが、2年前に同社に入社した宮野氏は、前職で海外メーカーのツアー担当者として活躍。そのプロの好む顔に仕上げることを得意としており、その技術を生かし、松山の望む顔を作り上げた。

「松山選手の得意クラブはアイアン。ドライバーは丸いですが、アイアンは主に直線で構成されていますよね。アイアンのように直線的で、ちょっとドロー、ちょっとフェードなど、ボールのどこに入れるのか強くイメージできるヘッドが松山選手の好みなんです」(宮野氏)

試合の合間を縫って少しずつ調整を重ね、20年8月にできたのが、あの〈ZX5〉だったのだ。

「最終日の17番はドロー、18番は最高のフェードでした」(同前)。自身が調整したクラブが松山の役に立ったことを宮野氏は心から喜んでいる様子だった。

松山に使われない悔しさをバネに、松山の要求に応えるべく開発と調整を続けてきたダンロップ。その陰の努力が、松山の使用、そしてマスターズ優勝で結実した。

ここ数年、日本市場では海外ブランドのドライバーが人気だったが、松山の勝利が潮目を変えることになるかもしれない。

(本誌・小路友博)
※週刊パーゴルフ2021年5月4日号「芝目八目」より

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