座間キャンプのゴルフ場でボール飛び出し 市街地のゴルフ施設の対策は?

(写真・Getty Images)
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神奈川県の座間市と相模原市にまたがる在日米陸軍・キャンプ座間内のゴルフ場から近隣の住宅地へとゴルフボールが飛び出している問題が、ここにきて再燃している。相模原市の基地対策課によると、直近では3月20日、コースに隣接する住宅の住人が庭に落ちているゴルフボールを発見。市の職員と防衛省南関東防衛局座間防衛事務所職員が住宅を訪問し、ゴルフボールを確認、回収した。米軍はボールを見失った場合、プレーヤーに届け出を義務づけているが、発見された日時の前後にキャンプ座間ゴルフ場では、ロストボールの申告がなかった。昨年度は3個のゴルフボールが市民によって発見されたが、申告されたのは1個のみだった。

2014年以降では3月20日までに計10個のゴルフボールが敷地の外で発見されており、同課は本誌の取材に「これまでも度々、キャンプ座間からのボールの飛び出しと思われる事案があった場所であることから、引き続き、在日米陸軍基地管理本部および防衛省南関東防衛局に対し、飛び出しの防止を徹底するように求めます」とコメントした。

07年からこの問題にかかわっているという相模原市議会の金子豊貴男議員は、こう怒りをにじませる。

「09年まではひどかった。年間200個近く飛び出していて、近くの学校のグラウンドで生徒に当たったり、遊んでいる保育園児の目の前にボールが落ちたこともある。3階建てアパートの3階の窓ガラスが割れたこともあった。その後コースを変更して、ネットのかさ上げ工事をしたところ、それ以降はピタッと止まったんです。ネットの高さは40メートルあるので普通は飛び出さないはずなのですが、10年たってネットも傷んできて、補修してもいたちごっこ。上下のネットが重なっている部分にも隙間がある」

住宅地にあるゴルフ施設にとって、ボールの飛び出しは頭の痛い問題。例えばドライビングレンジとゴルフコース、テニスコートも備えた東宝調布スポーツパークは東京都調布市の住宅街と隣接している。

「ウチは初心者が多いので、ティーイングエリアを囲うようなトリカゴを設置したり、鉄柱からの跳ね返りを防ぐために厚めのマットで覆ったり、ティの向きを変えたり、木を張り出させてみたり、といろいろと対策はしています。ティに設置した案内板にコースの攻略法と併せて推奨クラブも載せたりしていますが……」(遠山聡総支配人)

防球ネットの経年劣化とともに、住民が心配するのは、それを支えている鉄柱の安全性。高さ40 メートルといえば、2年前の台風15号の暴風により倒壊した市原ゴルフガーデンの鉄柱と同じ高さ。ネットが昇降式でなかったことと鉄柱の老朽化が倒壊の原因との見方もあっただけに、出費を厭い とわずに老朽化した鉄柱の立て替えを急ぐ施設もある。

前出の東宝調布も4月から古い鉄柱を立て替え、ネットも昇降式に替える工事がスタートした。

「ただ高くしたらしたで、そのネットを狙って練習する人がいたり、当たり損ねのボールが『何でここに?』というところで跳ね返って出ちゃったり、といろいろなことがあります」(同前)

市街地では相続を含めた後継者問題に直面している施設も少なくない。多くの問題が山積みで、解決の道はかなり険しいものになっている。だが若者中心にゴルフ人気が高まっているのも確か。便利な街中のゴルフ施設には、ここで何とか踏ん張って、若者や女性を定着させてほしいものだ。

(日本ゴルフジャーナリスト協会会長・小川朗)
※週刊パーゴルフ2021年4月20日号「芝目八目」より

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