「30年後までにゴルフの聖地が水没」の衝撃データ 温暖化が進めばリンクスでの全英開催が困難に!?

リンクスコースがなくなるなんて、絶対にあってほしくない(写真・Getty Images)
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全世界的に地球温暖化は深刻化する一方だが、ゴルフ発祥の地、英国でもそれは同様だ。近年は毎夏のように最高気温記録を更新し、以前は見られなかった豪雨や洪水による災害が頻発している。

先月、米国の気候研究機関「クライメート・セントラル」が、気候変動についての最新データを反映したマップを公開すると、同国内のメディアの多くがこのニュースを取り上げた。同機関は温暖化による気候変動の影響で2050年までに首都・ロンドンの中心を通るテムズ川周辺地域の多くが水没する可能性を指摘。そして英国と世界のゴルファーを震撼させたのが、海岸沿いのリンクスコースが同様の危険にさらされている、という事実だ。

世界最古のメジャー、全英オープン開催会場のローテーションに現在名を連ねる8コースのうち、北アイルランドのロイヤルポートラッシュGC以外の7コースが、今後25年間で水没する可能性があるという。

聖地・セントアンドリュースや難関・カーヌスティ、ロイヤルトゥルーンのスコットランド3コース、イングランド北西部に位置するロイヤルバークデールとロイヤルリザム&セントアンズ、ロイヤルリバプールの各コースは全面的、もしくは最低でもコースの一部が水没すると指摘され、特に壊滅的なのが、今年の開催コースであり、イングランド南部で唯一ローテーションに組み込まれているロイヤルセントジョージズだ。周辺地域一帯がすべて水面下となり消滅する可能性が示唆される、衝撃的な内容だった。

とはいえ、同機関のウェブサイトには「マップは将来の恒久的な海面上昇による脅威を反映している」とし、「しかし、極端な洪水などのリスクを判断する際にはマップの精度が低下する」と但し書きされている。それでも現状から判断する限り、今後の不安は増すばかりだ。

18年に英国団体「クライメート・コーリション(気候連合)」が発表したリポートでは、今後の海水面の上昇具合によっては、22世紀までに海岸沿いのコースの多くが侵食され、利用不可能になる可能性が高い、と警鐘を鳴らしていた。当時取材した際、R&A広報担当は「海岸浸食によるリンクスコースへの影響は、ゴルフが長年にわたって対応している問題の一つです。今後も、あらゆる手段でゴルフコースを保護していきたい」としていた。また昨年1月には、同団体はサステナビリティにかかわるさまざまなプロジェクトのために65万ポンド(約1億円)を投資することを発表。

「サステナブルなアプローチをすることで、今後の予測困難な状況の中でも、安定したコースマネージメントをできるようにしたい」(R&Aサステナビリティ担当ディレクター、スティーブ・アイザック氏)

ひと昔前よりも社会全体が環境問題に真剣に取り組んでいるのは確かだが、状況は一向に変わる様子がない。英国も、環境先進国には遅れたものの、今ではこの問題に積極的に向き合う姿勢が見られる。手遅れにならないことを願うばかりである。

(在英スポーツジャーナリスト・松澤浩三)
※週刊パーゴルフ2021年4月20日号「芝目八目」より

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