テーラーメイドに売却報道 4年間で値段が4倍になった要因とは?

タイガー効果はこんなところにも!?(写真・Getty Images)
タイガー効果はこんなところにも!?(写真・Getty Images) 【拡大】
2月2日付のニューヨークタイムズ紙にゴルフ界にとって衝撃的な記事が掲載された。テーラーメイドゴルフが売りに出されるとの報道である。

テーラーメイドは4年前の2017年5月、親会社のアディダスが本業のシューズ、アパレル事業に集中するとの理由で、投資ファンドであるKPSキャピタル・パートナーズに4億2500万ドルで売却された。そのKPSが投資銀行のモルガンスタンレーに依頼し、売却先を探しているとのことである。これだけの大手が売却となると、ゴルフ業界に先行きはないのかとの疑問も出てくる。

しかし、現在のテーラーメイドの価格は約20 億ドル以上と推定され、4年前に比べ、実に4倍以上に企業価値が跳ね上がっている。KPSは主に未上場会社に投資する投資会社で、現在の資産は約120億ドル、投資対象は製造業が中心である。ホームページにも有力な投資先としてテーラーメイドが記載されている。ホームページにはまだ情報開示されていないが、投資ファンドとして、企業価値が上がっている今が売り時と判断したのだろう。当事者のテーラーメイドゴルフのPR事務局にコメントを求めたが、原稿締め切りまでにコメントはもらえなかった。

これだけ企業価値が上がった要因の一つは、契約選手の活躍である。テーラーメイドの契約選手は、タイガー・ウッズ、ダスティン・ジョンソン、ローリー・マキロイら、錚々たる世界のトッププレーヤーが名を連ね、勝利を重ねている。最もビッグネームのタイガーはナイキがゴルフ用品から撤退した後テーラーメイドと契約し、特にこの直近の2年余りで18年にツアー選手権で5年ぶりの優勝、19年にマスターズ優勝、同年ZOZO選手権で米PGAツアー82勝目を挙げ、歴代1位のサム・スニードと並んだ。タイガーの復活を支えたテーラーメイドのクラブの存在は、その企業価値、ブランド力のアップには間違いなく効いている。

もう一つは新型コロナウイルスの影響である。感染拡大の中で、3密を避けられるゴルフは米国でブームとなっている。市場調査会社のゴルフ・データテックによると米国での20年のラウンド数は前年比113.9% と急増し、1988年の調査開始以来、最大の上げ幅である。また、ゴルフ用品の売上も前年比110.1% の28億1000万ドルで、過去3番目に高い売上高を記録しており、このゴルフ市場の活況も後押ししている。

2月19日にはテーラーメイドの新商品〈SIM2〉が発売された。ヒット商品となれば、さらに企業価値は上がる。実際に売却されるのか、売却先がどこになるのか気になるが、いずれにせよ、今まで以上にイノベーティブなクラブを生み出し続けてほしいものだ。

(ゴルフジャーナリスト・嶋崎平人)
※週刊パーゴルフ2021年3月9日号「芝目八目」より

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