稲見萌寧 飛距離&スタミナUPのため キックボクシングはじめました。

ゴルフとキックボクシングの共通点は「ねじり運動」

写真・鈴木祥
写真・鈴木祥
1月28日、稲見萌寧が地元・千葉でオフ中のトレーニングをメディアに公開した。昨季スタンレーレディスでうれしいツアー2勝目を挙げ、そのまま勢いに乗りたいところだったが、後半はショットの乱れに悩んだ。シーズンが進むにつれ体重が落ちていくことも原因の一つだった。

「体が軽くて、動きすぎていた」という去年の反省を踏まえ、今年から筋力・体幹強化を目的としたトレーニングに取り組んでいる。稲見が師事するのは、元プロキックボクサーの平野洋平さん。稲見自身がインターネットで検索し、平野さんにたどり着いたそうだ。

「キックボクシングのパンチを打つときや蹴るときの瞬発力、地面を踏み込む感じがゴルフと似ているし、両方ともねじり運動。私はねじる動きが苦手なので、トレーニングで体をスムーズに動かせるようになって、ゴルフに生かせればいいなと思いました」

体型が変わって以前の服が着られなくなった

トレーニング→コース、練習場、と短時間で移動できることを考え、稲見自身がインターネットで探し当てたパーソナルトレーニングジムで汗を流す 写真・鈴木祥
トレーニング→コース、練習場、と短時間で移動できることを考え、稲見自身がインターネットで探し当てたパーソナルトレーニングジムで汗を流す 写真・鈴木祥 【拡大】
平野さんのトレーニングを初めて受けた日は筋肉痛で歩くこともままならなかったが、週5~6回通ううちに、体に変化が出始めた。

「オフに入ってから体重は5キロ増えました。一番変わったのは下半身と背中ですかね。去年着ていた服が入らなくなったので、いいことだなとは思います」と満足げだ。平野さんも稲見の成長を感じている。

「最初は僕もミットを持つときに力を入れてなかったんです。キックに体重が乗っていなかったので。今はドーンと押されますし、ちょっと痛いですね(笑)」

下半身、背中、体幹のメニューをローテーションで行うが、キックボクシングだけは毎回取り入れている。取材当日は下半身がメインで、マシンを使ってモモ前、ハムストリングスなどを1時間ほど鍛え抜いた後、本人も楽しみになっているというキックボクシングへ。インターバルを挿みつつ、1ラウンド3分で、パンチ×2ラウンド、キック×2ラウンドのハードな20分をやり遂げ、「3分がホントに長い。地獄です……」といいつつ、「今は一年間戦い抜く体をつくるための“貯蓄”のとき」と笑う。

体がいい状態で練習できる

下半身がメインのこの日はバーベルスクワットからスタート。20キロ→40キロ→70キロと徐々に負荷を上げ、最後は重りを50キロにしワイドスクワット 写真・鈴木祥
下半身がメインのこの日はバーベルスクワットからスタート。20キロ→40キロ→70キロと徐々に負荷を上げ、最後は重りを50キロにしワイドスクワット 写真・鈴木祥 【拡大】
がんばった筋肉への“ご褒美”であるプロテインをしっかりと飲み、幼いころから通う練習場・北谷津ゴルフガーデンへ移動。トレーニングを増やした結果、練習量は減ってしまったが、体が動きやすくなったことのほうが稲見にはうれしいようだ。

「ずっと練習しているからよくなるっていうわけでもないので、トレーニングして逆に体がいい状態で練習を続けられるといういいところもあるので、けっこういいバランスでいけているんじゃないかと思います。どんどんトレーニングすることによって、負荷をかけてもぜんぜん筋肉痛がこなくなって、逆にほぐれて使えるようになったんです。むしろ筋肉痛になったほうが調子がいいんで、筋肉痛になってほしいんですけどね」

プロのほとんどは気温の高い沖縄や九州などで合宿を張るが、稲見はあえて地元にこだわる。

「(トレーニング、練習場、コース、ケアなど)地元ですべて環境を整えているので十分です。合宿に行っちゃうとトレーニングがあまりできなかったりする。去年は沖縄に行き、あったかくてやりやすいっていうのはよかったんですけど、練習量は地元にいたほうが多いですから」

夏にピークを迎えたい

不調時に落ちた飛距離が体作り効果で戻りつつある。現在は5ヤードUPし、230ヤードのネットに当たるように。さらにあと10ヤード伸ばしたい 写真・鈴木祥
不調時に落ちた飛距離が体作り効果で戻りつつある。現在は5ヤードUPし、230ヤードのネットに当たるように。さらにあと10ヤード伸ばしたい 写真・鈴木祥 【拡大】
トレーニングの成果はスイングにも表れている。以前はドライバーで230ヤードのネットに届いていたが、不調時はネット手前に落ちていた。現在は、トレーニング効果で以前の飛距離を取り戻しつつある。

「回転、腰のキレ、瞬発力、上半身のねじれ……スイングがスムーズに動くようになりました。以前はアドレスでちょっと体が固まって動かないなって思っていたのが、トレーニングすることで体が動く状態になったんです」

とはいえ、仕上がり具合は体が5割、スイングが3割とのこと。開幕戦までに徐々に割合を増やしていき、夏にピークを迎えるつもりだ。今季は20、21年の2年で1シーズンだが、今年だけで複数回優勝できるようギリギリまで地獄のトレーニングで自分を追い込む。

狭間世代のダイヤモンドになる!

地獄のトレーニングで自分を追い込み、体力と飛距離を蓄えた“新・稲見萌寧”の今シーズンが楽しみだ 写真・鈴木祥
地獄のトレーニングで自分を追い込み、体力と飛距離を蓄えた“新・稲見萌寧”の今シーズンが楽しみだ 写真・鈴木祥 【拡大】
■いなみ・もね/1999年7月29日生まれ、東京都出身。デビューイヤーの2019年センチュリー21レディスでツアー初優勝。昨年スタンレーレディスで2勝目を挙げたが、ショットの不安定さとスタミナ不足という課題に気づく。今オフから本格的な体作りを始め、年間複数優勝を目指す。都築電気所属


※週刊パーゴルフ2021年2月16/23日号「WEEKLY CLOSE-UP」より

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