コンビニオーナーが一念発起! 世界中の水をキレイにしたい

ゴミ箱へ直行するはずの使用済みカイロに“第二の人生”

コース内の池は美しいが、ゴルファーにとっては憎い存在でもある
コース内の池は美しいが、ゴルファーにとっては憎い存在でもある
パー3でワンオンを狙って「ポチャン……」、ティショットでチョロって「ポチャン……」。ゴルファーなら誰もが聞きたくない音だろう。プレー中に眺める美しい池は心を和ませてくれるが、ボールを捧げまくっているアマチュアにとって憎き存在でもある。ボール1つといえど決して安価ではないから、できることなら拾い上げたいところ。しかし、たいていはヘドロでボールを視認することすらできない。

コース内の池は、周辺の木々の落葉や芝の管理で発生する葉、肥料などが流れ込みやすい。これらが池底に蓄積し、ヘドロやアオコの発生原因になっている。これはどのゴルフ場でも頭を悩ましている問題の一つだろう。そんななか「使用済みの使い捨てカイロ」を使って、水を浄化する活動を行っている会社があることを知った。GoGreenGroup株式会社がそうだ。

まずは「カイロで水を浄化する仕組み」について簡単に説明しよう。そもそも使い捨てカイロは、空気中の酸素と鉄が結合して酸化鉄になるときに出る熱を利用したもので、鉄粉と活性炭が主成分だ。これを圧縮加工して、キューブ状に形成したのが「GoGreenCube」。これをヘドロが発生している池や川などに投入すると、カイロに含まれる二価鉄イオン(Fe2+)が溶け出して、悪臭を抑制し水質が改善されるという。しかも、カイロに使用されている鉄は、自然界で一般的な鉄の存在状態に近いため水圏環境にもやさしい。

コンビニオーナー時代にひらめいた

使用済みカイロを原料とした「GoGreenCube」
使用済みカイロを原料とした「GoGreenCube」
斬新な発想はどこから生まれたのか。「GoGreenCube」を開発したGoGreenGroup代表取締役の山下崇さんに話を聞いた。もともと理系の仕事をしている方なのだろうと想像していたが、驚くことにこの環境活動を始める以前、山下さんはコンビニを経営していたそうだ。

「当時うちに中国出身のアルバイトの女性がいたんですが、一時帰省のときにカイロを大量に購入してたんですよ。『なんでそんなに買うの?』って聞いたら、『中国は寒いので、お母さんに買ってあげると喜ぶんですよ』っていってましてね。なるほど、日本を一歩出たら、日本の常識じゃないことがあるんだなと気づきまして。最初はカイロを海外で販売したらいいんじゃないかなって思って、使い捨てカイロについてネットで調べていたんですよ。そしたら、東京海洋大学の佐々木剛教授が使用済みカイロで海や川、池などを浄化する活動をしていることを知ったんです。この活動をもっと広めたい、事業化したいと思って、教授にコンタクトをとったのが始まりです」

佐々木教授との出会いをきっかけに、資金も仲間もゼロのところから1年ほどの準備期間を経て2018年に会社を立ち上げた。

「コンビニ自体が環境負荷の高い仕事ですよね。食品ロスの問題など、罪悪感を持ちながら仕事していた部分もあって、なんかいいことしたいなと漠然と思っていたんですよ」(山下さん)

世の中にとっていいことだと感じても、それを広めるために行動に移したり、事業化したりするのは容易なことではない。山下さんの行動力、そしてバイタリティに感服した。

池ポチャしてもボールを探せるかも!?

北六甲カントリー倶楽部・東コース(兵庫県)内の池で行われた水質改善実験
北六甲カントリー倶楽部・東コース(兵庫県)内の池で行われた水質改善実験
また、「GoGreenCube」は、ゴルフ場の池の浄化にも一役買っている。北六甲カントリー倶楽部・東コース(兵庫県)の池で水質改善実験も行われた。

「池の広さ、汚れ具合にもよりますが、1立方メートルあたり10グラムのキューブを目安に週に一度投入しました。約3か月の実験で、70センチほどあったヘドロが10センチ程度にまで減り、水の浄化が確認できたんです」(山下さん)

もちろん継続的なメンテナンスが必要となるが、これまでゴミとして扱われていた使用済みカイロにこんな可能性があることに改めて驚かされる。この水を浄化する「GoGreenCube」を作るには、大量の使用済みカイロが必要となるが、兵庫県内のいくつかのゴルフ場には使用済みカイロの回収ボックスが設置されている。その他、サッカースタジアムやイベント会場などに設置範囲を広げている。また、個人からの提供も受け付けているそうだ。

「少量でもレターパックなどを使って、日本全国から送っていただいています。みなさん手紙を添えてくださったり、本当にうれしいですね」(山下さん)

プレー中に暖をとったカイロは捨てずに貯めて下記へ送付。われわれゴルファーにもできる環境活動に協力してみてはいかがだろう。

〒679-0313 兵庫県西脇市黒田庄町岡684-1
GoGreen物流センター行

※週刊パーゴルフ2021年2月9日号「芝目八目」に加筆・修正



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