デシャンボーが異次元ゴルフでパンドラの箱を開け、ボールの飛距離規制と二重ルールの問題が火を噴く!?

ルールの問題でUSGAとせめぎ合ってきたデシャンボー。ついにルールそのものを変えさせるのか!?(写真・Getty Images)
ルールの問題でUSGAとせめぎ合ってきたデシャンボー。ついにルールそのものを変えさせるのか!?(写真・Getty Images) 【拡大】
ゴルフのルールを司るR&AとUSGAが共同で進めている「飛距離に関するリポート」の調査が間もなく再開される。

かねてから“飛びすぎる”飛距離に懸念を表明し、その対処法を模索するために2020年2月から調査を開始していたが、新型コロナウイルス感染拡大のため一時的にストップ。が、21年3月には議論が再び開始される。

この調査を始めるに当たっては「ゴルフはプレーヤーの判断力、スキルとその力で挑戦するゲーム」(R&A、USGA)として、研究結果によってはクラブ、特にボールに対して新しく大きな規制がかかる可能性がある。

そんな折も折、6月にツアーが再開されるとともに話題の中心となったのが、ブライソン・デシャンボーだ。体重を18キロ増やし、さらなるパワーを身につけると、350ヤード超えのティショットを連発。その圧倒的な飛距離を武器にした“異次元のゴルフ”を披露して、9月の全米オープンを制覇した。デシャンボーはそれに飽き足らず、さらなる飛距離を求めて11月のマスターズではルールの範囲で最長の48インチドライバーの使用も検討した。結局、使用はしなかったものの、飛距離を求めるトレンドは他の選手にも波及。フィル・ミケルソンは実際に47.5インチを投入した。

一方で、飛距離至上主義には反対意見も根強い。マシュー・フィッツパトリックは「飛距離はゴルフのスキルではない」と発言。ローリー・マキロイも「デシャンボーの勝ち方は本来の全米オープンの戦い方ではない」と、発言している。

ジャック・ニクラスはかねてから「飛ばないボール」採用の提唱者。飛ばないボールで短いコースをプレーする「ケイマンゴルフ」の提唱者だけに、主催するメモリアルトーナメントでは、こう持論を展開した。

「デシャンボーを小さくすることもコースをこれ以上長くすることもできない。解決法はただ一つ、飛ばないボールにすることだ」

ボールの飛距離抑制が本格的に議論されるとなると、もともと飛ばないアマチュアとしては心穏やかではいられないが、一方でこんな救いのある意見も。11月のマスターズでゲーリー・プレーヤーが「プロとアマチュアの二つのルールにするべき」と呼びかけたのだ。高反発規制の際にも盛んに議論されつつ、R&A、USGAが頑なに拒否した用具の二重ルールが初めて導入されることになるのか?

パターの打ち方や形状、さまざまな道具を用いたコース攻略など、これまで常にルールのギリギリを突いてきたデシャンボーが、ついにパンドラの箱を開いてしまったのか? いずれにせよ、ボールの飛距離規制、そしてそれに付随する二重ルールの問題、21年に論争が激化するのは間違いない。

(在米ゴルフジャーナリスト・武川玲子)
※週刊パーゴルフ2021年1月19・26日合併号「芝目八目」より

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