オーガスタが“準地元”のダスティン・ジョンソンが悲願のグリーンジャケットを手にするまでの波瀾万丈物語

義父・グレツキー氏(右)はアイスホッケー界のタイガー・ウッズともいえる存在だったレジェンド。勝者のメンタリティを叩き込まれたことだろう(写真・Getty Images)
義父・グレツキー氏(右)はアイスホッケー界のタイガー・ウッズともいえる存在だったレジェンド。勝者のメンタリティを叩き込まれたことだろう(写真・Getty Images) 【拡大】
初のグリーンジャケットを手にしたDJことダスティン・ジョンソン。いつもはその感情を表に出さず淡々とプレーを続けるDJだが、表彰式では言葉に詰まり涙を堪えきれなかった。

「いつもコースでは大丈夫なのに……。家族やチームのことを思うと……」と、目頭を押さえた。

2016年全米オープンに続くメジャー2勝目だが、400ヤードを1オンさせる飛距離を持つDJ、本来はもっともっとメジャーに勝っているはずの実力者だ。これまで何度となくメジャー勝利を目前にして逃し続けてきた。

10年、ペブルビーチでの全米オープンでは3打リードの首位で最終日を迎えながら2番でトリプルボギーを叩き脱落した。15年の全米オープンも18番で1メートルを外して3パット。プレーオフを逃し、ジョーダン・スピースに優勝を許すと、傷心のDJは沈黙のまま、パートナーのポーリナ・グレツキーさんと並んでコースを去った。それでも、08年の米ツアー参戦以降、毎年勝利を積み重ね、ツアー記録を更新中だ。

一方、プライベートでは14年8月に“パーソナルチャレンジ”と称してツアーの戦線から離脱した。一部では薬物疑惑も浮上。その間にポーリナさんとの間に第一子となるテイタムくんが誕生。DJのツアー復帰までは義理の父に当たるアイスホッケーのレジェンド、ウェイン・グレツキー氏が「私はDJの最大の応援団だ」と、精神面を大きく支えたといわれる。

ちなみにグレツキー氏は大のゴルフ好き。今年ロサンゼルス郊外に場所を移して行われたZOZOチャンピオンシップの開催コース、シャーウッドCCのメンバーで、DJとともにプレーする姿が頻繁に目撃されている。

DJにとって、メジャーの中でもマスターズへの思い入れは強かった。生まれ育ったのはサウスカロライナ州コロンビア。オーガスタから車でわずか1時間の街だ。キャディを務めた弟、AJ(オースティン)と「子供のころからずっと、これがマスターズのウイニングパットだといって練習してきた」と、DJ。

絶好調で迎えたはずの17年マスターズでは、開幕直前に借りていた民家の階段から滑り落ち、腰を負傷。あえなく欠場となった。今年もマスターズまで1カ月というタイミングで新型コロナウイルスに感染。3週間の欠場で周囲をやきもきさせた。

しかし、今回は見事に難局を乗り切った。昨年の同大会はタイガーに敵わず2位タイだったが、その雪辱もしっかりと果たした。

「まだまだたくさんメジャーに勝ちたい。まずはメジャー3勝目を目指す」と、DJ。メジャー次戦は来年4月、本来の日程で行われるマスターズで連覇を狙う。

(在米ゴルフジャーナリスト・武川玲子) ※本誌8ページにも関連記事
※週刊パーゴルフ2020年12月8日号「芝目八目」より

週刊パーゴルフ2020年12月8日号(11月24日発売)の芝目八目では、以下のようなラインアップでゴルフ界の気になる最新情報をお届け中です。
●宮崎まで陸路、ホテルに缶ヅメ…… 今平周吾“隔離策”のすごい徹底度
●オーガスタが“準地元”のダスティン・ジョンソンが悲願のグリーンジャケットを手にするまでの波瀾万丈物語
●女子QTの代わりに開催される「増枠予選会」 出場権を得られるのは約10人以下と狭き門
●ツアー初V、香妻陣一朗は森守洋コーチの教えだけでなくユーチューバー活動からも学んでた
●脱三密を追い風にプレーする人が増加中のゴルフ 会員権は7~10月で値上がりコースが大きく増加

スペシャル最新記事一覧

Pargolf Members

すでに会員の方はこちら

最新トピックス


アクセスランキング

ツアー・トーナメント

フォトギャラリー

トーナメントプロ公式サイト・ブログ