GOLF Net TV連動「深堀圭一郎 KeyTALK」 第12回 丸山茂樹⑤

「勝負所で大切なのは決断力…行き詰まったら原点に戻りハーフスイングで修正! 」

深堀圭一郎が、ゴルファー仲間をゲストに招き、
ツアーでの出来事から普段聞けないような話までぶっちゃけトークを展開する「深堀圭一郎 KeyTALK」。
プロゴルファーの素顔に迫るこの番組は、GOLF Net TVで配信しています!
配信開始1周年記念の特別ゲストとして、丸山茂樹が来てくれました。
40年来の親友とのトーク、今回はPGAツアー参戦中の話と自身のゴルフスタイルについてです。

筋肉が硬直しやすい状態で「ソフトロブ」が打てるマルの技術は相当なもの (深堀)

深堀 2002年に『ベライゾン・バイロン・ネルソン・クラシック』で、PGAツアー2勝目を挙げた時もマルは17番で難しいアプローチを見事に寄せた。あれは優勝を掴む鍵だったよね。

丸山 あのアプローチは、今でも忘れていない。実はラッキーなことも一つあったしね。あの時、同伴プレーヤーのボールがくっついたんだ。それでマークをする必要があって…手に持ってからボールを置いたわけ。同じ場所でも置き直したから状況が良かった。優勝する時は「こんなもんなんだ」と強く感じたよね。

深堀 それでも難しいショットではあったよね?

丸山 大切なのは決断力だと思う。試合の中で勝負の一打は絶対にあるから、そこで後悔はしたくない。『ベライゾン・バイロン・ネルソン・クラシック』の時は、この打ち方しかない一打を選んだ。

深堀 勝負のために、アプローチ練習も相当やっていたわけだよね。

丸山 そうだね。練習では「自分の状況作り」を常に実践していた。だから、土壇場で「あの打ち方」ができた。ゆっくり「ソフトロブ」で狙う…この決断は間違っていなかったと思う。

深堀 緊張感が高まって、筋肉が硬直しやすい状態の中で「ソフトロブ」が打てる技術は相当なものだよね。




ショートゲームは練習量の差が出る。この再現性を常に本番で実現させるかが重要 (丸山)

深堀 アメリカツアーは芝がコースによって全然違うけど、マルは常にアプローチが上手かった。その理由は何だと思う?

丸山 上のレベルで考えているイマジネーションかな。それから、アプローチやパターは再現性が大事。そのために、自分なりに練習をアレンジしてきた。パターなら、2mの真っすぐを数多く練習する。その時にリズムや呼吸法もしっかり考えたうえで、グリッププレッシャーなど全部を考慮しながら繰り返すわけ。この再現性を常に本番で実現できることが重要だと思う。アプローチに関しても、練習量の経験値が出る。それでも、バミューダ芝だけは今も分からないけどね。英樹(松山選手)にも相談されるんだけど…良いことを言ってあげられなくて「ごめんな」と思う。オレは「こうやって乗り越えてきた」とは伝えたけどね。

深堀 最近は海外ツアーに参戦する人が増えてきたけど、多くの選手が「ショートゲームの重要性」を訴えている。そこで必ず「丸山さんみたいなプレースタイル」という言葉が出てくるんだよね。

丸山 それはうれしいね。でも、オレも飛ばないわけじゃないんだよ(笑)。最初にPGAツアーに行った時は、ドライビングディスタンス26位だから。だけど飛ばない人だと思われている…。タイガー・ウッズは平均で296~7ヤード、オレも282ヤード近くあったのに(笑)。

深堀 確かにね。




とにかくハーフスイングがベースにある。そこから生み出すのがフルスイングなんだ (丸山)

深堀 今は飛ぶ人が増えたけど、飛距離以外で最近のゴルフのクオリティはどう思う?

丸山 例えば、タイガー・ウッズのプレーを間近で10年近く見てきたけど、彼ほどのアイアンの距離感を持っている選手は未だにいないと思う。タイガーに「曲がっているよね」と聞いたことがあるんだけど「1回も芯を外れていないから全然気にならない」と答えたんだ。彼は「芯に当たらなくなって曲がり出したら絶望的だ」とも言っていた。本当にタイガーのように、キメ細かく1~2ヤード刻みで打てる選手は誰もいないと思う。個人的には、それに一番近いのは英樹(松山選手)だと感じるけどね。コントロール性と距離感については、英樹はPGAツアーでも5本指に入ると思う。

深堀 タイガーは優勝争いの時などは「ティを低くしてフェードボールしか打たない」と聞いたことがあるけど…。

丸山 彼は基本に忠実。あの位置に戻れたのは、過去の自分を見詰め直したからだと思う。身体に負担が少ないスイングをする必要もあったしね。今のドライバーが、「ドローを打ちづらくなっている」ことも、タイガーは最終的に感じ取ったはず。あんな王者でも、原点に戻ろうとするのが凄い。

深堀 丸山茂樹のゴルフスタイルは、どういう風に作ったの?

丸山 ボールを曲げることが厳しくなったうえで「どうしたら良いか」考えて、まずは持ち球を決めようと…。それで1990年代に持ち球をフェードボールにして、あとは感性。身体の動きは毎日違うしゴルフは翌日に別人になっているケースも数多くあるから。その時に「どう対応できるか」常に考えて、行き詰まったら原点に戻りハーフスイング! とにかくハーフスイングがベースにある。そこから生み出すフルスイングなんだよね。一番大事なのは、自分の手の動きが9時~3時までの部分を「どう通っているか」だと思う。一流になった時こそ、自分の中のエンジンを操るコクピットを忘れてはいけないと思うな。でなければ、2~3年ですべてが終わる。何十年も現場にいる人は、活躍の度合いは別にしても自分の中で整理する所を知っているよね。

深堀 確かにそうだね。

次回も引き続きマルに、男子ツアーの若手選手のことなどについて、聞いていきます。



~ 次回に続く ~


■プロフィール
・深堀圭一郎/ふかぼり・けいいちろう
1968年10月9日生まれ、東京都出身。1992年にプロへ転向。ツアー通算8勝。ラテール・エンタプライズ所属。

・丸山茂樹/まるやま・しげき
1969年9月12日生まれ、千葉県出身。世界屈指のアプローチを技術を武器に、PGAツアーで3勝を挙げている日本ゴルフ界のレジェンド。現在は『丸山茂樹ジュニアファンデーション』の代表理事として、ジュニア育成にも尽力。ゴルフ日本代表のヘッドコーチを務め、2021年の『東京五輪』でもチームを率いる。日本ツアー通算10勝、セガサミーホールディングス所属。

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