アマチュアの活躍が際立った日本オープン 間近でプレーを見たプロたちが感じた彼らの強み

5位タイの好成績でローアマチュアを分け合った杉原大河(左)と河本力
5位タイの好成績でローアマチュアを分け合った杉原大河(左)と河本力 【拡大】
今年の日本オープンは例年になくアマチュアの活躍が目立った。2日目を終了して河本力(日体大3年)が単独首位に立ち、1打差2位タイにも杉原大河(東北福祉大3年)、桂川有人(日大4年)が名を連ねる展開。結局、河本、杉原が5位タイでローアマチュアを分け合い、二人のアマチュアのトップ10入りと予選通過数8人は過去30年で最高となった。

日本オープンは長らくアマチュアにとっては予選通過自体が高いハードルとなっており、1998年は通過者ゼロ。一人だけという年も30年で5回を数えている。この間、トップ10入りした日本人は松山英樹、片山晋呉、宮里優作、金谷拓実だけだ。

今回はなぜ、これほどアマチュアが活躍できたのか。まずはNHKのラウンドリポーターとして最も間近でプレーを見た田中泰二郎の話。

「フェアウェイが例年より広めで飛ばしやすいなど要因はいくつかありますが、一つにはコロナ禍で大学生は日本学生や日本アマなどがなくなり、目標とする試合が日本オープンの一点集中になったことがあるでしょう。試合がないのはプロも同様ですが、例年はツアーで毎週ラウンドすることで養われる試合勘や芝への慣れが持てなかった。また、この試合でプロ転向した金谷拓実選手が日本オープンで2位になったり(2017年)、ツアー優勝したりして、大学生たちは『自分にもできる!』と思えるようになったこともあるはずです。だからローアマ狙いよりも優勝を目指していたとも考えられます」

また谷口徹は、無観客だったことから「プロは雰囲気的にミラクルパットが入ってこない感じがする」と、メンタル的な違いを指摘。同様にNHKの中継で解説を務めていた深堀圭一郎も「ギャラリーの歓声や動きなどがあるとプラスにもマイナスにも働く可能性がありますが、今回はそれがなかった」と、観客の有無がプロ・アマチュアそれぞれに多少なりとも影響を与えていた、と分析する。

もちろん、だからといってアマチュアが気持ちだけでうまくいくはずもない。

「上位のアマチュア選手はフェアウェイからの精度が非常に高いですね。ドライバーを真っすぐ飛ばせばピンに寄せられ、あとはパット勝負に持ち込める。林から球を曲げてグリーンに乗せるといった技は苦手ですが、脱出優先でむちゃをしないからボギーで収まる。そうして、うまくいくホールをたくさんつくることを重視しているから、ドライバーもあまり使わないんですよ」と、足りない部分を露呈させないマネージメントに長けていることに前出・田中は感心する。

その点は石川遼も「クラブの使い方がうまいし、スイングにも世界のトップに近い共通点があります。上位にくるのは当然だと思います」と、完成度を評価していた。

さらに「体もできているし、選手層も厚くなっているし、飛ばす人、ショットメーカーと個性も幅広い」という田中は今後、男子ツアーに河本、杉原らトップアマが参加すれば、金谷に続くツアー優勝者が出てきてもおかしくないという。深堀も「あれだけの人数が上位にきたのは実力が上がった証し。これからの日本の男子ゴルフが楽しみです」と、明るい展望を語る。

男子ツアーにも金谷を筆頭に「〇〇世代」と名のつくようなホープが5人、10人と現れれば、人気復活の一助になりそうだ。

(本誌・中澤浩治)
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