コロナ禍の今、医療法人だから実現できた 新東京都民ゴルフ場、奇跡の復活劇

青木功による始球式。初めて東京都民を訪れたとき背後の柳は半分の高さだった、と感慨深げ(写真・清流舎)
青木功による始球式。初めて東京都民を訪れたとき背後の柳は半分の高さだった、と感慨深げ(写真・清流舎) 【拡大】
新東京都民ゴルフ場、奇跡の復活。その裏にあったのは、ゴルフが最もアピールすべき「健康増進」の4文字だった。

新東京都民ゴルフ場(東京都足立区)が8月1日に営業を再開した。昨秋の台風19号による荒川からの冠水により、同ゴルフ場は昨年いっぱいでの廃業を一度は発表していた。

だがその後、コースが持つ歴史の重みと都心に近い地の利に魅力を感じ、存続を模索する数社が運営の後継候補として浮上。この動きを見ながらゴルフ場の返還手続きをせず、存続の可能性をわずかながら残し続けていたことが吉と出た。最終的に盛り土をせずコースを修復し、早期の再開を目指す方針を打ち出したのが医療法人社団葵会グループ。同ゴルフ場を運営してきた株式会社NIHON. TURF&GREENと資本提携したことで、存続への道が開けた。

葵会は病院を中核に介護施設・学校法人・ホテルなど、全国130施設を運営。すでに系列会社の㈱みずほが那須霞ヶ城GC(栃木県)、一関CC(岩手県)、千歳CC(北海道)を保有していた。

リニューアルオープン記念式典には、このコースでプロゴルファー人生を歩み始めた青木功・日本ゴルフツアー機構会長、日本プロゴルフ協会の倉本昌弘会長に加え、鹿浜昭足立区議会議長など、地元の関係者も多く出席。

「ゴルフはしないけど、台風から立ち直る姿を見ていたら熱くなっちゃって」というジョギング姿の主婦たちや、ビーチサンダル姿の男性、3世代のファミリーなども気楽に参加しており、地元とのかかわりの深さを感じさせた。

あいさつに立った青木は「存続が決まった今、コースを大事に育てていってほしい」と感慨深げ。実は広島出身の倉本も葵会の発祥の地が広島とあって、縁が深いという。「このコースは70年以上の歴史があって、河川敷で、文化遺産だと思います。足立区民にとっても東京都民にとっても日本国民にとっても、残していくべきコース」と、祝福の辞を贈った。

新品の手引きカートがずらりと並んだスタートホールで、青木、倉本両会長が始球式。約10カ月ぶりに、ゴルファーたちがフラットな河川敷コースで歩きのゴルフを楽しんだ。カートを引いてのゴルフの利点は、何といっても運動不足の解消。このプレースタイルが、健康に最も寄与できることは間違いない。

新型コロナウイルス感染拡大防止の名目の下、ステイホームでメンタルヘルスへの不安が増す中、太陽の下で歩くことでセロトニンが増え、睡眠ホルモンであるメラトニンも増加。質の良い睡眠を得ることができることで、うつ病の予防にもなる。認知症の予防にもなることも、すでにゴルフ業界内では常識だ。

そもそも葵会がゴルフ場経営に乗り出したのも「多くの人々の、健康増進のため」(同コース関係者)。行政の要請に応え、グループが経営する桜スカイホテル柏が、新型コロナウイルス感染者の宿泊療養施設としての役割も果たしている。今回のホワイトナイト、葵会グループにとっても、新東京都民ゴルフ場は、多くの面で再建を支援するに値する施設だったということだ。

(日本ゴルフジャーナリスト協会会長・小川朗)
※週刊パーゴルフ2020年9月1日号「芝目八目」より

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