総力取材!“シブコ効果”だけじゃない! ピンゴルフが独り勝ちのなぜ?

総力取材!シブコ効果だけじゃない! ピンゴルフが独り勝ちのなぜ?
フィッティングをしてから注文するという性格上、製品はオーダーがきてから埼玉県の自社工場で組み立てられる。売上増加に伴い生産ラインを大きく増強した、と話す棚橋勲プロダクションマネージャー(※中央)。工場には、若い世代、特に女性が多く従事しているのが印象的。オーダーがきてから、最短48時間での出荷を目指している。

2019年、〈G410〉が大ヒットし、ツアーでは契約プロの渋野日向子が日本人女子42年ぶりの海外メジャー制覇と、大きな躍進を果たしたピン。単なるブームにとどまらない、その人気の秘密を探るため、ピンゴルフジャパン本社を取材した。

取材/構成/文・コヤマカズヒロ 写真・村上航 取材協力・ピンゴルフジャパン(埼玉県)

すべてのクラブをカスタムメイドで製造

昨年はピンの年だった。〈G410〉シリーズが大ヒットし、ウッド類は年間売上1位。8月には、42年ぶりとなる渋野日向子の海外メジャー勝利という追い風があり、数多くのクラブメーカーがしのぎを削る中にあって、ピンはすべてのカテゴリーでゴルファーから高い支持を受けた。
 
渋野が国民的スターとなっただけに、例えば、〈渋野モデル〉を販売したら、売上はさらに期待できそうなもの。だが、ピンはこの好機にそうした便乗ビジネスをすることをよしとしなかった。それは、創業以来掲げる哲学と乖離してしまうからだという。
 
創始者のカーステン・ソルハイムから受け継がれている「3つの哲学」には、その人のスイングにクラブを合わせるカスタムフィッティングがある。そのコンセプトからいえば、〈渋野モデル〉ではなく、その人に合ったクラブを提案することが、よりパフォーマンスの向上につながるわけだ。

一般的なメーカーは、すでに組み立てられた純正スペック、いわゆる“吊るし”の状態で販売する。一方、ピンはまずフィッティングを受け、適正なスペックを決定してから、クラブをオーダーする。今でこそ、フィッティングもカスタムメイドも珍しいものではないが、ピンは、シャフト長さ、ライ角、グリップの太さなど他のメーカーが積極的に行わないカスタムにも、古くから取り組んでいる。
 
国内の場合、ピンのクラブはオーダーを受けてから、埼玉県にある自社工場で組み立てを行っている。最短で48時間での出荷が可能だというが、昨年はあまりに注文が殺到し、時間がかかることも少なくなかったという。現在、工場は人員を増やし、生産ラインを大幅増強して、ニーズの高まりに対応している。
クラブの組み立ては、一つ一つオーダータグによって管理される。モデル、ロフト、カラーコード(ライ角)、シャフト長、グリップなどすべての情報がここに明記される。


その人に合うクラブを国内工場で精密組み立て

オーダーを受けてから組み立てが行われるピンのクラブ。その作業は詳細スペックが記載されたオーダータグを基に行われる。実際に注文したことがある人なら、このタグを見たことがあるだろう。

オーダータグには、モデル名や番手に選択したシャフト、ライ角やシャフト長、バランスやグリップに至るまで、これから組み立てられるクラブの詳細が記載されている。幅広いゴルファーのニーズに対応するため、工場には膨大な在庫が用意されており、組み立てはまずタグを見ながら、パーツをピッキングするところから始まる。

ピンのアイアンはモデルによって、10色のカラーコードで分類された10種類のライ角から選択できる。ヘッドは一種類なので、工場では工具とデジタル化された設備を使って、指定されたライ角に調整。シャフト長や選んだシャフトに応じて、バランスを調整することも重要で、モデルによっては、トウ側に設置されたウェートの重量を入れ替えることで、適正なバランスに調整されている。
 
機械化が進んでいるとはいえ、その一つ一つに人の手間がかかって、一人のゴルファーに合うクラブへと仕上げられている。間違いの許されない精密な作業だけに、どのスタッフも真剣なまなざしが印象的だ。
  • ピンのウェッジには、「ワークスグラインド」と呼ばれる、8種類のカスタムソール形状がある(※別料金)。それを行う研磨職人の一人はなんと女性。仕事の丁寧さと手先の器用さ、意欲などが評価されての抜擢だったという。年齢も性別も関係なく、社員を大切にするファミリー企業としての一面が垣間見られた。

  • すべてがカスタムメイドという性格上、工場にはヘッド、シャフト、グリップなどおびただしい数の在庫がある。組み立ては、まずパーツのピッキングから始まる。
  • 新製品〈へプラー トムキャット14〉パターのシャフトを職人の手によって、曲げているところ。ライ角の指定も可能で、曲げるには熟練の技が必要だ。


スペシャル最新記事一覧

Pargolf Members

すでに会員の方はこちら

最新トピックス


アクセスランキング

ツアー・トーナメント

フォトギャラリー

トーナメントプロ公式サイト・ブログ