批判覚悟で開幕戦開催へ動いていたシニアツアー、自粛ドミノに風穴空けるかと期待されたが…

PGAの定時社員総会後に会見する倉本会長(左から3人目)。「開催に向けて最大限の努力をする」と力強く語っていたが…
PGAの定時社員総会後に会見する倉本会長(左から3人目)。「開催に向けて最大限の努力をする」と力強く語っていたが… 【拡大】
批判覚悟で開催への努力を続けた日本シニアツアーだが、新型コロナウイルスの猛威の前に開幕から2試合の延期を余儀なくされた。

日本プロゴルフ協会(PGA)は、30日に定時社員総会を行い、4期目となる倉本昌弘会長を再選。会見では、新型コロナウイルスによって世界中のあらゆるイベントが開催を自粛する中、シニアの大会を行う方向でいることを表明した。開幕からの2試合、金秀シニア沖縄オープン(4月10~11日、沖縄県・かねひで喜瀬CC)、ノジマシニア(4月16~17日、神奈川県・箱根CC)だ。

しかし、ウイルス感染がさらに拡大。無観客で行う予定だったノジマの延期(日程未定)がまず決定。ギリギリまで開催の方向で動いていた金秀も、4月3日になって延期(日程未定)することが決まった。開催する方向だと話した際、倉本会長はこう話していた。

「『やらない』という判断は簡単なんです。けれども、われわれは選手を派遣する側。主催者がやりたいと言っているのだったら、安全を確認した上で、できる限り選手の職場を確保したい。最大限の努力をしても批判は受けるでしょうが、それは甘んじて受けるつもりでいます」

細かい部分まで感染対策をし、状況が悪化した場合には延期する可能性も示唆していたが、これが現実のものとなった。

開催する場合の対策の詳細も明かされていた。選手には一人一つずつ体温計を配布。スタッフ、関係者についても体調を管理(さかのぼって過去2週間。海外渡航歴の確認も)。金秀は観客も入れ、人数を制限(現場判断し、プロアマでは選手との接触行為を自粛する。アルコール消毒液を200リットル用意し、30カ所に設置。手洗い、うがいとともに注意喚起を行う。

それでも約10人が出場予定だった65歳以上のスーパーシニアについては中止。高齢者が重症化しやすい傾向を鑑みてのことだ。一般ボランティアの参加も中止し、金秀グループの社員のみでの運営する予定だった。

観光を主要産業とする沖縄県は、今回の感染拡大により経済的に大きな打撃を受けている。女子ツアー開幕戦、ダイキンオーキッドレディスも無観客で開催の予定が直前になって中止となっている。そんな状況の中での開催への動き。「デニー(玉城)知事からも『沖縄は(感染者が)3人のみの段階で(4月2日現在では9例)やってほしい』といわれています」(倉本会長)と、期待を背負っていた。

開放的なゴルフ場で細心の注意を払っても、トーナメント開催によって感染者の少ない場所に選手や関係者が行くことでウイルスを持ち込むリスクがあるのは否めない。それでも、開催に向けて最大限の努力をする姿勢を見せたのはまちがいない。東京五輪は1年の延期が決定。世界でも多くのプロスポーツが中止や無観客となっている。ゴルフの世界では世界中で試合が中止や延期になり、日本でも女子ツアーが現状7試合、男子は2試合の中止がすでに決定している。

感染の拡大防止は大前提だが、だからと言って「不要不急」の名の下にスポーツや音楽などをたやすく切り捨てていいというものではない。その仕事に従事している者にとっては、大事な職場だからだ。ギャラリー数など規模が小さいシニアだからこそできた開催へのチャレンジ。今回は残念ながらかなわなかったが、こうした姿勢は今後につながるはずだ。

(ゴルフジャーナリスト・小川淳子)
※週刊パーゴルフ2020年4月21日号「芝目八目」より

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●批判覚悟で開幕戦開催へ動いていたシニアツアー、自粛ドミノに風穴空けるかと期待されたが…
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