メディアもあまり入っていなかった、ダイキン中止の沖縄で記者が考えたこと

当然だが、ダイキンの会場、琉球GCの駐車場はガランとしていた
当然だが、ダイキンの会場、琉球GCの駐車場はガランとしていた 【拡大】
ツアー客や家族連れで満席が当たり前の、那覇行きの便はガラガラ。歩道からあふれんばかりの観光客でにぎわう国際通りもガランとし、客引きの声が虚しく響く。新型コロナウイルスの感染拡大が広がる3月始めの沖縄には、観光県と大きなダメージとなるほど、閑古鳥が鳴いていた。

その一方で、東京と違い、電車といえば那覇を走るゆいレールだけ。車の移動が基本の土地柄で、人混みがあまりないせいか、マスクをしている人は少ない。数少ない観光客がまとまってマスクをしていると、かえって目立つほどだ。東京ではすでに、トイレットペーパーやティッシュも普通に売られている。

沖縄と本土の1988年に始まり、今年が第33回大会となるはずだった女子ツアー開幕戦ダイキンオーキッドは、沖縄の人々に深く根付いている。毎年、この時期には空港を始めあちこちでポスターや“Welcome”の横断幕が目立ち、歓迎ムードが漂うは、直前に開催中止が決まった今年はそれがない。

代わりと言うわけではないが、ホテルや土産物店、港、飲食店、タクシーなど、あらゆるところで大会の話になる度「中止になって残念ね」という言葉が聞かれる。

沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB:下地芳郎会長)は、3月4日に沖縄観光リカバリープロジェクト委員会(仮称)を開催。3月から5月までの推計値で、入域観光客数約152万人減、県内消費額約1024億円も減(いずれも前年比)と発表している。

OCVB広報担当の黒島伸仁氏によれば「3月4日時点では大きく見積もった推計でしたが、その後、現状が推計に近づいています」という。「沖縄に限ったことではありませんが、観光をリーディング産業にしているところは、航空業、ホテル、旅行者などだけでなくサービス、製造業など(影響が)波及する範囲が広く、損失は大きい」と、解説した。

「ダイキンオーキッドは中止がニュースになるほど県民に知名度があります。ゴルフが目的で来沖する方は外国も含めて多いのですが、比較的可処分所得が高い方が多く、食事でも土産物でも消費額が多い。それが減るのは大きいですね」(同)という嘆きも聞こえてくる。

先の見えない新型コロナウイルス禍。沖縄から東京に戻った飛行機の荷物受取場のコンベヤーの上を、12ロール入りのトイレットペーパーを何パックか大きなビニール袋に入れた物が回っていた。スーツケースの間に挟まれたその“異物”を、二つまで確認してタメ息が出た。大きな経済損失を予測しながらも、決して悲壮感を漂わせることのない沖縄の人たちのしなやかな強さとは異質な情けなさが漂っていたからに違いない。

(ゴルフジャーナリスト・小川淳子)
※週刊パーゴルフ2020年3月31日号「芝目八目」より

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