USGAが主催競技に産休・育休制度を導入 日本の女子ツアーはどんな取り組みをしている?

2018年11月から産休に入り、今季シード選手としてツアーに復帰する若林(写真・Getty Images)
2018年11月から産休に入り、今季シード選手としてツアーに復帰する若林(写真・Getty Images) 【拡大】
全米ゴルフ協会(USGA)は新たに「チャンピオンシップファミリーポリシー」を改訂。これが画期的だと賞賛されている。その内容はというと、全米オープンや全米女子オープンをはじめとするUSGA主催競技で、出場権を得ていた選手が出産を理由に競技ができなくなった場合、1年間その権利を留保できるというもの。

さらに、USGAが特別な事情と認めればさらに1年、最大2年間の産休・育休を取っても、復帰してすぐに全米オープンや全米女子オープンに出場することができる。世界ランキングだけでなく、予選を勝ち抜いて出場権を得た選手も同様に出場権を保持できる。

さらに画期的なのは、マタニティのみならず「パタニティ」(男性の産休・育休)、代理母による出産や養子縁組にもこの制度は適用されるということ。男性の育児参加はもちろん、さまざまな家族の形が受容されてきている現代。まさに時代に即した改革をUSGAは断行したわけだ。

さすが米国は進んでいると感心せざるを得ないが、日本にはそうした取り組みはないのかというとそんなことはなく、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)にも以前から産休制度がある。シード権を保持する選手が産休に入った場合、出産日から数えて36カ月間を限度にツアープレーヤー登録を休止することができ、復帰した際には産休前の出場権を回復することができる。

今までに塩谷育代、平瀬真由美、茂木宏美、若林舞衣子らがこの制度を利用。若林はシード選手として今季ツアーに復帰する。

「やはり女子の団体ですから、結婚・出産しても競技を続けられる環境づくりは不可欠。子連れで出場する選手がいる場合は大会ごとに授乳場所を確保しています。本当はすべての大会で託児所を設けるくらいのことが必要なのでしょうが、現状なかなかそこまでは。ただ、今後も選手のニーズに合わせて環境整備はしていきたい」(JLPGA広報)

ゴルフ界の現状は他の競技と比べてどうなのか?ジェンダー論、スポーツ文化論が専門の城西大学・山口理恵子准教授に見解を聞くと、こんな答えが返ってきた。

「USGAの決定は画期的で素晴らしいと思いますが、現役の期間が長い競技だけに、もっと早くこうした動きがあってもよかったかもしれません。試合会場の託児所に関しては、意外に思われるかもしれませんが、実は柔道やセイリングが進んでいて、多くの試合会場に設けられています。選手だけでなく大会関係者やメディアも使えることを前提に、男女問わずすべてのスポーツが取り組んでいくべきだと思います」

「職場に子供を連れてくるなんて」という価値観がまだまだ支配的な日本だが、ゴルフをはじめとするスポーツ界から変わっていけば、こんな素晴らしいことはないだろう。

(本誌・金子信隆)
※週刊パーゴルフ2020年3月17日号「芝目八目」より

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