日本で行き場をなくした日本人選手が中国女子ツアーQTに殺到するワケ

中国、台湾ツアーを主戦場にしつつ日本のプロテストに備えるという笹原
中国、台湾ツアーを主戦場にしつつ日本のプロテストに備えるという笹原 【拡大】
1月15~18日の4日間、中国女子プロゴルフ協会(CLPGA)の今季出場権を懸けたQスクールが行われ、日本からは34選手がエントリー。うち古江彩佳、安田祐香らプラチナ世代と同い年の佐渡山理莉をはじめとした10人が突破した。

昨年、CLPGAのQTにエントリーした日本人選手は16人。今年はその倍以上の34人が受験した背景には、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)による規定の変更が大きく影響している。昨年から原則的に「QT受験資格をJLPGA正会員のみ」と限定したため、これまでTP単年登録選手として出場していた選手はプロテストに合格してJLPGAの正会員にならない限り、ほぼJLPGAツアーおよびステップ・アップ・ツアーに出場することができなくなったからだ。

「ルールが変わった今、プロゴルファーとして活動する選手が日本でのプレーが叶わない状況で、他国にチャンスや環境を求めるのは自然な流れなんじゃないかなと思います」と話すのは、昨年からCLPGAを主戦場とする笹原優美だ。

昨季は7試合に出場し、賞金ランキング60位で70位までに与えられる今季のシード権を確保している。1シーズン戦ったCLPGAの印象を笹原に聞いてみると、

「私も最初は不安でした。でも、ツアーの運営はすごくしっかりしています。協会の人たちも20代と若い方が多いこともあり、明るく、親しみやすい雰囲気がありますね」

CLPGAに参戦する選手の出身国を見ても、タイ、台湾、韓国、豪州、ニュージーランド、米国など、バラエティに飛んでいる。海外選手の受け入れが当たり前になっているため、空港、ホテル、コース間の送迎など選手のケアが充実していることもあり、年々CLPGAを目指す選手が増えているそうだ。

2020年は17試合が行われる予定。19年の実績で見ると、賞金総額は下は約300万円から、上はアシアナ航空オープンの約6600万円やビュイックLPGA上海(米女子ツアー共催)の約2億3000万円までと幅広いが、全体的には1000万円前後の試合が多いようだ。

「CLPGAの賞金ランキング上位に入る選手は、日本のトップクラスの選手とほぼ変わらない実力を持っています。そういう環境で戦えるのは、自分の実力を向上させる意味でもとてもいいことだと思います。日本のプロテストを受けることはもちろん大切ですが、中国ツアーで優勝したり、優勝争いできる選手が日本のツアーでも通用する選手だと感じているので、中国ツアーでも日本ツアーに出ていたときと同じようにやるという感覚です。応援してくださる方がたくさんいますし、(プロテストに合格していない)私たちの行動にも価値はあると思うので」(笹原)

昨年11月に行われた台湾女子ゴルフ協会のQTも突破した笹原は、日本の予選会にもチャレンジしつつ、中国、台湾両ツアーで腕を磨きながら11月のプロテストに備えるという。笹原を含む“海外武者修行組”が力をつけ、日本ツアーでも活躍する日がくるのを願うばかりだ。

(本誌・島村真理子)
※週刊パーゴルフ2020年2月11日号「芝目八目」より

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