いまだに河川敷コースを苦しめる台風の影響 復旧のめどが立たないコースを直撃してみると…

倒木が放置されたままの川口パブリック(写真・清流舎)
倒木が放置されたままの川口パブリック(写真・清流舎) 【拡大】
快晴に恵まれた1月11日。荒川の河川敷ゴルフ場では、多くのゴルファーが3連休初日のプレーを楽しんでいた。

だが右岸と左岸に一つずつ、それとは対照的に、静寂が支配する一角があった。昨年の10月10日まで活況を呈していた川口パブリックゴルフ場(埼玉県)と新東京都民ゴルフ場(東京都)だ。いずれも台風19号のもたらした大雨により冠水。再オープンを期待されながら、クローズの状態が続いている。この日でもう3カ月に及んでしまった。

1年の4分の1である。昨年の暮れ、赤羽GC(東京都)や川口市浮間ゴルフ場(埼玉県)など、荒川下流域の大ダメージを受けたコースが次々に復活。周辺に住むゴルファーたちを大喜びさせたが、一方で聞こえてきたのが「川口パブリックの復旧が遅れている」との情報。電話取材をしてみると「復旧のめどは立っていない。取材には応じられない」との返答しか返ってこなかった。

11日の午後、コースに足を運ぶと、理由がハッキリした。土手の上から見下ろせば、根こそぎ倒れた大木は放置されたまま。200ヤード・70打席の練習場にも水が滞留していた。他のコースに比べ、復旧が大きく遅れているのだ。

それでも、業者風の男性と話し込んでいる男性がいたため、話しかけてみた。オガワと名乗るその男性は、まさしく川口パブリックの関係者だった。改めて再オープンの時期をたずねると「分からない」との返答。だが「復旧に向けて取り組んでいるんですね?このまま廃業なんてことはないですね?」との問いには「ハイ」という、事業継続へのハッキリした答えが力強く返ってきた。

再オープンがいつになるかは分からないものの、コース内には重機も数台停められていた。復旧作業が行われていることは確かなようだ。

もう1カ所、深刻な状況のまま廃業へと追い込まれたのが新東京都民ゴルフ場(東京都)だ。こちらは管理を委託されていた「株式会社新都民ゴルフ場」が事業継続を断念。一部では「廃業」と伝えられた。

新東京都民の場合、長年の地盤沈下によりゴルフ場全体が荒川の水面より低く、くぼ地の様な形状になっていた。そのため浸水被害に備え、川岸側に小規模の堤防を作っていた。しかし昭和以降では3番目となる7メートル17センチという高水位によって、この堤防は役に立たなかった。いったん水が入ってしまうと苦労することになってしまうのが、新東京都民のコース形状なのだ。

復旧するためには9ホール、12万7000平米のエリアに盛土をする必要がある。そのためには莫大な費用と時間を要するため、それ自体が廃業の判断に影響していた。しかしそんな新都民にも、一筋の光が差し込んでいる。実は盛土をしないまま運営を引き継ぐことを検討している業者が二つあるというのだ。

2月に新東京都民ゴルフ場のある足立区新田地区内の町会長らで構成される「第9地区新田まちづくり連絡会」と区が話し合い、跡地がゴルフ場として継続される方針が決まれば、プロポーザルの形で管理業者が選定されるという。

新都民ゴルフ場は1955年、関東最古だった学士会GCの跡地に造られた。川口パブリックはそれより1年早い54年の開場。河川敷ゴルフ場の草分け的存在である川口パブリックと新都民には、何とかして生き延びてほしい。

(日本ゴルフジャーナリスト協会会長代行・小川朗)
※週刊パーゴルフ2020年2月4日号「芝目八目」より

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