往年のプロから引き継いだ“ゴルフ力”を絶やさぬために ベテランプロキャディが協会を設立

昨年の日本ゴルフツアー選手権森ビルカップShishido Hillsでは堀川未来夢を初優勝に導いた清水氏
昨年の日本ゴルフツアー選手権森ビルカップShishido Hillsでは堀川未来夢を初優勝に導いた清水氏 【拡大】
ゴルフ界に新たな協会が設立した。その名も〈一般社団法人日本プロキャディー協会〉。

代表理事は鈴木愛らのキャディを務める森本真祐氏。副代表理事はイ・ボミの元キャディで堀川未来夢らのキャディを務める清水重憲氏だ。二人は発起人にもなっているが、プロキャディ歴20年以上で、30回以上の優勝に貢献しているベテランキャディだ。

19年11月に設立されたばかりだが、清水氏にその経緯を聞いた。

「プロキャディという職業を社会的に認めてもらおうというものです」

もともとツアーのキャディはゴルフ場のハウスキャディが主流だった。25年ほど前からプロが“お付き”的にキャディを帯同するようになり、徐々に“お付き”ではない、いわゆるプロキャディが増えてきた。最近ではプロキャディのアドバイスが奏功して優勝するなど「キャディさんのおかげ」と話す選手も多く、欠かせない存在になっている。

しかし、会場ではプロキャディ、ツアーキャディ、帯同キャディとその呼び名はさまざま。加えて、清水氏が「キャディをやっている」というと、世間からはゴルフ場のハウスキャディと間違われることもあるという。プロキャディは基本的にプロと契約して活動する個人事業主。協会を設立し、個をまとめて呼称も統一することで、社会的地位を高める狙いがある。

そしてもう一つの狙いは、プロキャディの増加だ。一部のプロキャディはメディアに登場するなど認知度は上がっているが、全体的に見ると減少傾向にあるという。

「もともと人数が多いわけではないのに、最近は一人入ってきたと思ったら二人引退するような形で年々減少傾向にあります」

現在活躍するプロキャディの多くは、30代後半から40代半ば。体力的に考えても60代、70代で多くの人がやれるとは考えにくく、今後さらに減少することが考えられる。

また、最近はハウスキャディを置かないゴルフ場も多く、トーナメントを開催する場合、キャディ不足になる。ツアー側からも「帯同キャディのお願い」の通知が出る試合もあるほどだ。

プロキャディが増えない理由の一つは、“なり方”が分からないということだ。現在は、選手が高校や大学などの仲間や後輩をキャディとして起用して、そのままプロキャディになったり、大学ゴルフ部のアルバイトからなるケースがほとんど。キャディのプロテストがあるわけでもなく、就職情報誌に載っているわけでもない。周囲にプロゴルファー関係者がいないと、なりたくてもなれないのだ。「プロキャディ志望者の窓口に」と清水氏は話す。

法人格取得を目指して設立までに1年の準備を要した。まだ設立したばかりで具体的な施策はこれからとなるが、プロキャディの窓口になるほか、ベテランキャディらによるキャディ講習、会員向けに安価で転戦できるように宿泊施設などの割引なども考えているという。

ベテランのプロキャディは、かつてのトッププロから学んだ“ゴルフ力”を若手プロに伝えられる存在だ。プロキャディの地位向上、育成などに向けて、プロキャディ黎明期からツアーを転戦する森本、清水両氏らが立ち上がったというわけだ。プロキャディ、そして協会の繁栄は日本ゴルフ界の底上げにもつながるだろう。

(本誌・小高拓)
※週刊パーゴルフ2020年1月21・28日号「芝目八目」より

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