【新規大会スポンサーと青木会長が緊急対談】青木さん!男子ツアーは大丈夫なんですか?

来年から男子ツアーに新規大会が加わる。その名も「ゴルフパートナーPRO-AMトーナメント」。日本初のアマチュア参加型の試合形式を採用する。それだけに、大会の成否に大いに注目が集まるだろう。そこで、大会のひと足先に青木功JGTO会長と新スポンサーであるゴルフパートナーの川崎康史執行役員に大会の目的と、今後の男子ツアーの展望などを語り合ってもらった。

(左)かわさき・やすふみ/株式会社ゴルフパートナー執行役員営業推進本部長 商品及びマーケティング担当。2020年からの新規レギュラートーナメント「ゴルフパートナーPRO-AMトーナメント」の大会実行委員長。

(右)あおき・いさお/1942年8月31日生まれ、千葉県出身。64年プロ転向。ツアー51勝。賞金王5回。83年にハワイアンオープンを制し、日本人として初のPGAツアー優勝を飾る。日米欧豪の世界4大ツアーすべてで優勝しているただ一人の日本人。04年には日本人初の世界ゴルフ殿堂入りを果たす。16年3月から日本ゴルフツアー機構の会長に就任。フリー。

取材/文・山西英希 写真・山上忠、鈴木健夫 デザイン・Tボーン

「本当は俺についてこい!ってドーンとやりたい(笑)」(青木)

川崎康史(以下、川崎) 男子ツアーを外側から見ていて、女子ツアーほどの活気がないように思いますが、どのような対策を立てているのか教えて頂けますか?

青木功(以下、青木) 男子ツアーが継続的に発展するための基礎作りが中心ですね。たとえば、国際的に選手の競争力を高めるために、アジアンツアー、韓国ツアーとの共催であるShinhan Donghae Openや、PGAツアーとの共催であるZOZOチャンピオンシップを実現しました。また、プロゴルフファンを増やすためにファンプロジェクトを実施しました。一般ゴルファーを対象にしたプロアマ、インドア女子会、観戦ツアーなどを行い、きちんと売り込みさえすれば男子プロゴルファーには大きな商品価値があることを再確認できました。このプロジェクトを通して、選手もファンの大切さを再確認できたと思います。
三井住友VISA太平洋マスターズの最終日に行われた第1回御殿場市スナッグゴルフ大会。新たなゴルファー育成のためにも、青木は奔走している
三井住友VISA太平洋マスターズの最終日に行われた第1回御殿場市スナッグゴルフ大会。新たなゴルファー育成のためにも、青木は奔走している 【拡大】
川崎 ファンプロジェクトに関しては、弊社も賛同させていただきました。

青木 その他にもネットへの動画配信やSNSを積極的に活用して認知拡大に努めたり、PGAツアーのようにライツコンテンツに乗り出そうと写真の蓄積に乗り出したり。また、トーナメント以外の新たなスポンサーとして、メルセデス・ベンツ・ジャパン様やリシャール・ミル様に加わっていただきました。本当に色んなことをやっているんですよ(笑)

川崎 その手ごたえはいかがですか?

青木 正直に言うと、ファンプロジェクトに対して〝俺たちは男芸者じゃない〟と言ったり、海外共催ではなく〝国内でスポンサーを見つけて〟、とか言ったりする選手も少数だけどいますよ(笑)今は色んなことを試しながら少しずつ、改革を進めている最中ですね。本当は俺についてこい!ってドーンと話を進めたいけど、今はそういう時代じゃないから。試合に出ていた時より今のほうが大変ですよ。ストレスが溜まります。トランプ大統領が来日された時は、色々な疲れが一気に出て帯状疱疹が出ましたし(笑)

川崎 それは大変ですね……

青木 でも、今はゴルフに対して恩返しをする時だと思っているので。男子ツアーを盛り上げるべく、選手と話し合いながら一丸となって頑張りますよ。いろいろな施策も、本当に効果が出るまでは時間がかかるとは思いますが。一歩一歩です。

「エンタテインメント性は必要、応えてくれるプロが増えてくれたら」(川崎)

青木 川崎さんから今の男子ツアーに対して何か要望ってありますか?

川崎 基本的にトーナメントにギャラリーを呼べるプロはすごいと思います。そういうプロがツアーに1人でも増えてくれれば、トーナメントをスポンサードする立場として非常にありがたいですね。

青木 確かにそういう人がどんどん増えれば人気も出てくるでしょう。そういう選手を増やすことが我々の仕事でもありますが、こちらも時間かかっているのが現状です。

川崎 私どもは日本プロゴルフ グランドゴールドシニア選手権を7年間特別協賛してきましたが、今年は1番のスタートホールで、奥田靖己プロがティショットを打つ選手一人一人を紹介するというマイクパフォーマンスをしました。普段私たちが知ることができないお話がたくさん聞けました。プロの私生活や最近の出来事、過去の失敗エピソードをいじり倒したり(笑)。そのやりとりが面白くて、ギャラリーは大いに盛り上がっていました。レギュラーツアーでもエンタテインメント性をつくることは必要ですし、少しでも応えてくれるプロが増えてくれると、ギャラリーに面白かったといってもらえると思います。ZOZOチャンピオンシップであれだけのギャラリーを集めたわけですから、チャンスはあります。

青木 見るスポーツとしてゴルフを楽しんでくれるファンがこんなに居る、ということが明らかになったのは嬉しいですよね。極論をいえば、ああやって盛り上がる試合を毎週開催したいです。私なんか昔はワーッとほかのホールから歓声が聞こえてきたら、「ああ、今のはジャンボ(尾崎)がバーディとったからだな」とか、「杉原(輝雄)さん、また1つ伸ばしたな」と思ったもんです。「よーし、それならこっちもバーディを取ってやるぞ」と。ギャラリーがたくさんくることによって、大会自体が盛り上がるし、選手もいいプレーも出てきますからね。単純に喜怒哀楽をもっと出してくれればいい。ところが、そういうことになると大人しいんですよね。私としては不満です(笑)

「何か新しいことをしたいなと思っていたので賛同してもらえて嬉しい」(青木)

青木功(日本ゴルフツアー機構会長)
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――今回、アマチュアも参加できる試合形式にした経緯を教えていただけますか?

青木 試合形式はJGTO側から提案したんです。いくつか新しいアイディアを出し、いろんな企業に提案した中で、ゴルフパートナーさんが面白いといってくださった。ほかにも興味を持った企業はありましたが、初めてのことだけに決断できなかったところを、承諾していただいたわけです。

川崎 記者発表後、いろんな方から問い合わせがあったのは確かです。よくその形式で開催できますねと。ただ、私どもは本当にアマチュアとプロが一緒にラウンドする形式で開催したかっただけなんです。アマチュアゴルファーの皆さんがプロと接点を持てるというのが一番大きい理由ですね。

青木 自分も米ツアーで経験して面白い試合形式だと感じていました。どうせなら何か新しいことをしたいなと思っていただけに、賛同してもらえて喜んでいます。

川崎 今回は水曜、木曜の2日間がアマチュアのダブルス戦で、土曜、日曜がスクラッチ戦になります。最近のアマチュアゴルフ界はどんどんコア化していると思うんです。新製品が出る度にクラブを買い替えるシングルさんが増えているのがいい例です。そういう方にはスクラッチ戦をお勧めします。いっぽう、競技会に挑戦してみたい、腕試しがしたい方は、ご家族やご友人とペアを組んでダブルス戦に出てほしいんです。一人じゃ不安だけど二人だと心強いという方など。ゴルフ界の裾野を広げるのが目的です。
ゴルフパートナーPRO-AMトーナメントの開催発表記者会見での1コマ。アマとプロをつなぐ、新規大会が誕生した
ゴルフパートナーPRO-AMトーナメントの開催発表記者会見での1コマ。アマとプロをつなぐ、新規大会が誕生した 【拡大】
青木 今までと違うことをやるわけですから、ゴルフをどう認識してもらえるか、楽しみですよ。

川崎 野球やテニスでプロと戦うのは無理ですが、ゴルフはティグラウンドの位置を変えることで、戦えると思います。それがゴルフの楽しさであり魅力ですよね。シニアでも女性同士でも出られるのが今回の特徴なんです。

青木 普段できないからこそ面白いんですよ。プロだって、試合形式でアマチュアに教えながら回ることは楽しいと思います。「おっ、今までこんなにいいスコアが出たことなかったのに、今日は出ちゃったよ」なんて言われたらうれしいですから。個人的には昔からやりたい試合形式でしたが、どこでどうやるかが問題でした。何でも最初に行うのは大変なんですよ。

川崎 我々としてはプロの方がどうとらえているのかが本当に心配です。できればプロにも楽しんでほしいですし、仮にアマチュアと一緒に回るのは嫌だから出ないという人がいても、将来的には出たくなるような大会にしていきたいですね。

「アマチュアとプロが“接点”を持てるのがこの試合形式にした理由です」(川崎)

川崎康史(ゴルフパートナー執行役員)
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――来年は東京オリンピックでゴルフも正式種目として開催されます。お二人が考えるゴルフ界の未来について教えてください。

青木 個人的には、ゴルフほど面白いスポーツはないと思っています。時間がかかりすぎるので、9ホールや6ホールに短縮したほうがいいという意見もありますが、これだけ自然を相手にする競技は少ないし、健康にも役立ちます。もっともっと盛んになるでしょう。トーナメントに関していえば、ゴルフをプレーしない人に会場まで足を運んでもらいたいですね。今はゴルフをプレーする人しか観にきませんから。

川崎 それこそ石川遼選手が強いときは、ゴルフを知らない人も大勢かけつけていましたよね。今、私どもの会社では、高校ゴルフ連盟の試合をスポンサードしたり、「はじめてのごるふくらぶプロジェクト」、これはこれからゴルフを始めようとする人に中古のクラブを1本プレゼントする企画を行なっています。そして、PGAのティーチング選手権にも協賛しています。ジュニア、ビギナー、ティーチング、それらを線にしたいんです。そうなれば、業界全体も潤うようになるのではないかと思います。

青木 ゴルフ界にとっては、素晴らしいことですよね。


――ゴルフパートナープロアマトーナメントが成功した場合、さらに試合をスポンサードする考えはありますか?

川崎 今のところありません。なぜなら、収益が出た分をこの大会の賞金に回したいからです。試合を増やすことよりも賞金を上げ、選手にとっても魅力がある方がいいと思っています。ただ、今回のプロアマ形式のノウハウはJGTOにも提供させていただき、万が一、同じ試合形式でほかの企業がトーナメントを開催する際に約立てていただくことは可能です。

青木 おそらくこの大会が成功して、ギャラリーが増えたり、喜んで観戦したなら、ウチもプロアマ形式でやってみたいという企業は増えると思いますよ。

川崎 ぜひ、そうなるように来年の大会を成功させたいですね。

青木 本日は、ありがとうございました。

川﨑 こちらこそ、ありがとうございました。

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