市原ゴルフガーデンの鉄柱倒壊 土地を売却しての補償へ

会見に臨む渡邉オーナー(左)と秋野弁護士(写真・清流舎)
会見に臨む渡邉オーナー(左)と秋野弁護士(写真・清流舎) 【拡大】
9月9日未明、嵐のなかで起きた悪夢のような鉄柱倒壊から実に2カ月半。被害住民への補償交渉が、ようやく始まった。

11月23日、千葉弁護士会館に市原ゴルフガーデン(千葉県市原市)の被害住民たちが次々に入っていった。オーナー側の代理人が代わったことで、補償に向けての話し合いが開始されたからだ。

翌24日には新しい代理人の一人である秋野卓生弁護士と練習場のオーナーである渡邉陽子氏がTKPガーデンシティ千葉(千葉市中央区)で揃って会見。席上、練習場の土地を売却し、住民への補償費用に充てる方針が明かされた。

事件は申立人が㈱市原ゴルフガーデンで、3件に分かれている。人身、建物被害(相手方21名)、ネット飛散被害(相手方6名)、車両被害(相手方8名)に対し、裁判外紛争手続き(ADR)による和解を目指し、被害程度に応じて交渉が進められていく。

それにしても、遅きに失した感は否めない。台風15号が通過した9月9日、高さ30~から40メートルもある鉄柱13本が幅約140メートルに渡り根元から倒壊。住宅20数棟が損壊し、けが人も出た。その後、補償に対する交渉は、いっこうに進まなかった。倒壊の2日後、住民の求めに応じる形で説明会を行ったものの、撤去や補償などの具体的な予定は示されなかった。

さらに弁護士(当時)が「自然災害であるため被害者の火災保険で」と言い出し、住民側は猛反発。深い溝ができただけでなく、対応の悪さが繰り返し報道され、オーナー側への悪いイメージが世間にも定着した。

その後も撤去工事は始まらず鉄柱は住宅にめり込んだまま。屋根の修理なども行えず、台風19号が直撃しても、室内が雨ざらしの状態が続いた。

そこに解体業者の(株)フジムラが、約4000万円はかかると見られた撤去工事を無償で行うと申し出た。10月15日から準備工事を開始。28日から本工事が始まり、撤去は実質2週間、11月13日に完了した。

その間に前任の弁護士が解任された。渡邉オーナーは「被害住民の皆様から苦情を受けたこと」と、会見でその理由を説明している。その後、秋野氏ら3人が新任の代理人弁護士となり、ようやく補償交渉が進み始めた。

ホワイトナイトだったフジムラの仕事も、これで終わりではない。すでにゴルフ練習場としての存続は断念しており、更地にした上での売却を決めた。そのため、残った鉄柱とネットも撤去することになった。フジムラに対し、今回は有償による依頼をし、快諾を得ているという。鉄柱が取り除かれ、ようやく自宅の損傷を確認したという住民もいる。これから詳細な被害額が算出される。

一方で渡邉家には介護中の家族と入院中の家族もいる。ゴルフ練習場事業の断念により渡邉家の収入の道が完全に途絶えるため、生存中の生活資金を確保すると代理人は明らかにしている。そのため練習場の売却費がすべて被害者の補償費に回ることはないという。

一方で国土交通省の調査結果の作成も最終段階に入った。この結果次第では、オーナー側の設備管理責任が問われることも考えられる。オーナー側と被害者の交渉は、まだスタートラインに立ったばかりだ。

(日本ゴルフジャーナリスト協会会長代行・小川朗)
※週刊パーゴルフ2019年12月17日号「芝目八目」より

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