マスターズGCレディースでの暴言事件 その顛末と背景にあるものとは?

謝罪文とともに当面はツアー出場を自粛すると発表した笠
謝罪文とともに当面はツアー出場を自粛すると発表した笠 【拡大】
シブコフィーバーで盛り上がる国内女子ツアーに衝撃が走った。10月24日、マスターズGCレディース初日の早朝、出場プロの一人がコース関係者に「死ね」と暴言を吐く事件が起こっていたことが発覚したのだ。30日現在、LPGAはいまだ詳細を明らかにしていないが、関係者たちから語られた事の顛末はこうだ。

①毎年、同大会期間中に風呂場のバスタオルが多数紛失するため、コース側はLPGAの了解のもと今年はタオルを置くことをやめた。

②当日、脱衣所で準備運動するためタオルを利用したかった第1組スタートの笠りつ子がコース従業員にタオルを要請。対応に当たった副支配人と「選手の皆さんにも連絡、告知されていたはず。タオルは出せない」「必要だから、出して」「出せません」と押し問答に。

③「バスタオルを置かないのなら、もっと脱衣所をきれいに掃除したらどうか。髪の毛が落ちてる」と難癖をつけたあげく、副支配人に「頭が固い。死ね」と捨てゼリフを吐いた。

まず、成りゆきや原因、正誤は別にして、「死ね」の一言はアウトである。気を許した仲間相手にそんな言葉を使う人々もいなくはないようだが、本来決して使ってはいけない一言。ましてや、仕事の現場で、お世話になっている相手に対してだ。これは救いようがない。笠は「選手の代表として私がいう」との気持ちもあったようだが、何にしても、その一言は取り返しのつかないものだ。

さて、この事件を自身のスポーツ紙コラムで世に出したのは岡本綾子。そこには「LPGAの選手教育」に苦言を呈する一文があったが、この事件は笠だけに限らず多数の人間がいわゆる“勘違い”をして、人気にあぐらをかき始めていることへの警告かもしれない。選手に限らずその家族、キャディ、関係者を含め、もてはやされて謙虚さを失ってしまってはいないだろうか。LPGAから選手への事前連絡、掲示などに不十分な点がなかったのかにも疑問が残る。選手全員へのメール、SNSできちんと告知しておけば、こんな醜い事件も食い止められたかもしれない。

また、事件直後、怒り心頭だった主催者の延田グループに対し、LPGAサイドはそこまでの大事ととらえず、その場しのぎの対応をし、さらに神経を逆なでしたという声もある。日頃からLPGAが、開催コースやスポンサーへ誠意をもって接して来たかが問われるところだ。

なお、笠は31日午前に所属事務所を通し直筆の謝罪文を発表。暴言については主催者やコースに先週の内に謝罪したことを明かし、今後はしばらくの間ツアー出場を自粛。「決して言ってはいけない言葉であったと深く反省」、「ゴルフを愛する全ての人を裏切ってしまい、本当に申し訳ございませんでした」と謝罪した。

LPGAのコンプライアンス委員会が、今後どういった判断を下すのか注視したい。以前から指摘され続けている第三者委員会の設置、外部理事の招聘も急務だろう。

(ゴルフライター・月橋文美)
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