〈スパイダーX〉に激似と評判の〈ストロークラボTEN〉 知的財産権の面から見て大丈夫なの?

どっちがどっちか分かる?(正解は左が〈ストロークラボTEN〉、右が〈スパイダーX〉)
どっちがどっちか分かる?(正解は左が〈ストロークラボTEN〉、右が〈スパイダーX〉) 【拡大】
ツアーに投入されたばかりのオデッセイのプロトタイプ〈ストロークラボTEN〉が、テーラーメイドの〈スパイダーX〉にそっくりと話題になっている。果たして問題はないのか? 知的財産の面から検証してみる。

この件で問題となるのは、知的財産権の中で意匠権と呼ばれる、デザインの新規性・創作性に関わる部分。まず、テーラーメイドの〈スパイダーX〉の意匠について調べてみたが、現在公開されている意匠のなかで、そのものズバリのものは見つけることはできなかった。

米国で登録されている〈US D859, 545 S〉(図1)が近いものである。〈スパイダーX〉そのものの意匠は公開前と推測する。同様にオデッセイの〈ストロークラボTEN〉についても調べてみたが、同様に公開されている意匠は見つけることができなかった。

確かに〈ストロークラボTEN〉は、パッと見は〈スパイダーX〉に似ていなくてもない。では、特許の世界では意匠の類似性はどうやって判断するのか? 特許庁の意匠の類否判断基準(似ているか否か)を調べてみると、基本的は人間の感覚の判断による。
米国で登録されているテーラーメイドの意匠で〈スパイダーX〉に最も近いもの
米国で登録されているテーラーメイドの意匠で〈スパイダーX〉に最も近いもの 【拡大】
ただその判断方法として、できるだけ客観的な判断ができるように、基準を設けて実施している。判断基準として、共通点及び差異点の認定、共通点及び差異点の個別評価、意匠全体としての類否判断などで審査している。もちろん、特許庁が認めたとしても、それに対して異議を申し立てることもできる。

テーラーメイド、キャロウェイ両社とも知的財産である特許、意匠等に関しては、しっかりした会社である。ゴルフメーカーは商品が他社の知的財産に触れるかどうかは事前に必ずチェックする。特に米国では、チェックしないことは故意に侵害したと判断され、訴えられ裁判で負けた場合、賠償金額が3倍となる。

自社のチェックだけでなく、第三者の弁護士に侵害していないかどうか事前の調査を依頼し、問題ない旨の判定をもらっておく。自社の判断でOKとしても、相手から訴えられることもあり、それに備える意味である。今回の事例でも、キャロウェイは商品の類似性については事前のチェックを十全に済ませていると推定される。

ゴルファーにとっては、より高機能でパッテングがやさしくなるパターが開発、販売されることは喜ばしいことである。ただ、メーカー間の新商品開発も激しくなる中、高機能の商品がパッと見似てくることがあるのかもしれない。

(ゴルフジャーナリスト・嶋崎平人)
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